中国輸入Amazon販売の専門家 加藤さとしです。
当記事ではタイトル通り、
個人での古物商許可の取り方について
徹底解説していきます。
ネットで「古物商許可 取得」などと検索すると、
行政書士が代行してくれる有料サービスも
出てきますが、手続きは比較的簡単なので
自分でも申請可能です。
ただし、人によって必要書類が異なる、
書類の記入方法が違うといった注意点もあり、
申請ミスをすると審査に通りません。
今回はそうしたミスをしやすい点も併せて解説するので、
これから古物商許可の申請手続きを考えている方は
一度目を通しておいてください。
※当記事では、古物商許可取得時の一般的な流れや
記入方法などについて説明しています。
必要書類や書類の記入方法等については
地域によっても異なるので、記事を読んで
全体像を把握したら、事前に警察署へ
相談することをおすすめします。
加藤さとし
古物商許可を個人で取得する際の流れ
古物商許可をあなた個人で取りたいとなった場合、
以下の流れで進めていくことになります。
STEP1:古物商許可が必要かどうかを確認
ビジネスによって古物商許可が必要な場合、
不要な場合があります。
どのような場合に許可が必要かを解説します。
STEP2:欠格要件に当てはまらないかを確認
”欠格要件”というものに当てはまる人は、
古物商許可を取得することができません。
どのような人が古物商許可を取得できないか、
見ていきます。
STEP3:必要書類を準備
古物商許可の申請時は複数の書類が必要です。
どのような書類が必要かを確認します。
STEP4:必要書類を記入
必要書類の具体的な記入方法を
注意点と併せながら見ていきます。
STEP5:古物商許可申請をする
古物商許可の申請方法、費用、
審査期間等について解説します。
STEP6:交付手続きをする
審査に通ったら、古物商許可の
交付手続きを行います。
交付手続きの流れや
注意点について解説します。
古物商許可の個人での取り方を徹底解説!
STEP1:古物商許可が必要かどうかを確認する
まずは、どのようなビジネスで
古物商許可が必要かを確認しておきます。
古物を営利目的で売買する場合に必要
古物商許可は古物を営利目的で
売買する場合に必要です。
ここで重要なのは”古物”と
”営利目的で売買する”の意味です。
古物と聞くと「中古品」を想像する人も
多いと思いますが、具体的には
以下の3つが該当します。
- 一度使用された物
- 使用されない物品で使用のために取引された物
- これらの物品に幾分の手入れをした物
1.一度使用された物は、
他の人が使用した「中古品」を指します。
2.使用されない物品で使用のために取引された物とは、
一般消費者が使用するために買ったけど、
使ってない商品のことです。
たとえば、ヤフオクやメルカリで
一般ユーザーが出品しているPS5。
これは一般消費者の手に一度渡っているため、
仮に新品・未開封の状態でも
「古物」に該当します。
3.これらの物品に幾分の手入れをした物とは、
①②を修理やリメイクした物です。
ただし、物品の本来の性質、用途が変化したものは
古物に該当しないとされています
たとえば、ジーンズをリメイクして
バッグとして販売する場合等です。
「営利目的で売買する」とは、
利益を出すために継続して売買することです。
つまり、
- 一度使用された物
- 使用されない物品で使用のために取引された物
- これらの物品に幾分の手入れをした物
これらを利益目的のために
継続して売買する場合は、
古物商許可が必要になります。
STEP2:古物商許可を取れるか?欠格要件に当てはまらないかを確認する
古物営業法第4条で規定されている
”欠格条件”に当てはまる人は、
古物商許可を取得できません。
具体的には次のような人です。
- 自己破産手続きの期間中である人
- 過去に犯罪を犯し、刑の執行から5年が経過していない人や執行猶予期間が終了していない人
- 暴力団関係者
- 住所不定の人
- 過去に古物商許可を取得していたが古物営業法に違反、許可を取り消されて5年経過していない人
- 心身の故障で古物商の業務を適正に実施できない人
- 未成年者
また、副業が禁止されている公務員や、
外国人の方で古物商を営むために必要な
在留資格を持っていない人も基本的に
取得できないのでご注意ください。
STEP3:必要書類を準備する
個人で古物商許可の申請をする場合に
必要な書類は次の通りです。
- 古物商許可申請書(古物営業法施行規則別記様式第1号)
- 略歴書
- 誓約書
- URLの使用権限があることを疎明する資料
- 本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し
- 身分証明書
- その他(賃貸借契約書のコピー、建物所有者の使用許諾書)
古物商許可申請書、略歴書、誓約書
古物商許可申請書、略歴書、誓約書は、
各都道府県の県警公式HPより
ダウンロードできます。
書き方はこの後紹介します。
URLの使用権限があることを疎明する資料
「URLの使用権限があることを疎明する資料」は、
ホームページの使用権限を証明する資料です。
これは、たとえばAmazonやヤフオクなどに
ストアを出す人や、自社ECサイトで販売する人が
提出しなければいけません。
Amazonなど他社のECサイト上に出店する人は、
”自分のストア情報とURLが記載されている
画面ページを印刷したもの”でOKです。
独自ドメインを取って、自社ECサイトで販売する人は
プロバイダが発行したドメイン割当通知書(ドメイン登録完了のお知らせなど)
またはWHOIS検索の検索結果画面ページを印刷したもの
が必要です。
WHOIS検索・・・特定ドメインの登録者情報を検索できるサイト
自分のドメイン名で検索して、検索結果に
自身の名前等が検索されている
画面をプリントアウトします。
本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し
住民票の写しは、取得日から
3カ月以内のものでなければいけません。
身分証明書
身分証明書は免許証などの本人確認書類ではなく、
申請者の本籍地の市区町村が発行する書類のことです。
市区町村役場の「戸籍課」などで取得できますが、
発行までに1週間程度かかる場合があるので、
忘れず事前に取得しておいてください。
賃貸借契約書のコピーや建物所有者の使用許諾書が必要な場合も
ほかにも賃貸マンション・アパートに住んでいて
そこを事務所にする場合、賃貸借契約書のコピーや
建物所有者の使用許諾書といった書類が
必要になる場合もあります。
この辺りは都道府県によっても異なるので、
事前に管轄の警察署に確認してください。
STEP4:必要書類を記入する
必要書類を記入していきます。
ここでは
- 古物商許可申請書
- 略歴書
- 誓約書
上記3つの記入方法を見ていきます。
なお、これらの書類は都道府県によって
様式が微妙に異なりますが、
基本的な項目は同じなので、
今回は東京都の書類を例に見ていきます。
※実際に記入する必要書類は
各都道府県の県警が用意するものを
ダウンロードしてください。
「都道府県名 古物商許可 必要書類」で
検索すれば出てきます。
また、書類は警察署の窓口で
相談しながら書くことも可能です。
その際は、事前に警察署へ
連絡してから訪問しましょう。
担当者が不在の場合も多いからです。
古物商許可申請書の書き方
古物商許可申請書で主に必要なのは
- 別記様式第1号その1(ア )
- 別記様式第1号その2
- 別記様式第1号その4
上記3枚になります。
別記様式第1号その1(ア )
※◯◯公安委員会殿は各都道府県名が入ります。
※法人等の種別は「6.個人」にチェック。
※「行商をしようとする者であるかどうかの別」は
とりあえず「する」にチェックをしておけば大丈夫です。
「する」にチェックを入れておくことで、
営業所以外での取引が可能になります。
別記様式第1号その2
ここでの注意点として、主たる営業所の形態は
基本的に「営業所あり」にしなければいけない点です。
個人でネット物販ビジネスをする場合、
営業所の所在地は「自宅」にすることも可能です。
ただし、自宅が賃貸マンション・アパートや
実家などの人は注意しなければいけません。
賃貸マンション・アパートに住んでいる人は、
「賃貸借契約書のコピー」が必要になります。
さらに、そのマンション・アパートが
営業目的での使用が禁止されている場合は
「建物所有者の使用許諾書」も必要です。
また、親の持ち家である実家に住んでいる人も
「建物所有者の使用許諾書」が必要な場合があります。
ただし、これは各都道府県によっても異なるので、
事前に警察署に確認をとってください。
なお、登記だけしている
バーチャルオフィスは実態がないため
営業所として登録できません。
別記様式第1号その4
ネット物販の場合は「1.用いる」にチェックをして、
その下に自社ECサイトやストアページの
URLを記入します。
なお、申請時点でストア等を用意していない場合は
「2.用いない」で申請しておき、用意できた時点で
「URL追加の変更届出書」を提出することで
追加申請も可能です。
略歴書の書き方
略歴書は過去5年間の履歴書です。
なぜこんな書類が必要かというと、
申請者が欠格要件に当てはまらないか?
つまり、古物商取得できる人物かを
確認するためです。
略歴書も都道府県ごとに様式が
異なるので注意してください。
誓約書の書き方
誓約書には、欠格要件に当てはまらないか
(古物商の許可を取得できる人か)が
記載されています。
確認後、署名をしてください。
誓約書も都道府県ごとに様式が異なります。
STEP5:古物商許可を申請し、審査を受ける
必要書類が準備できたら、
営業所の所在地を管轄している
警察署へ行って申請します。
窓口は「生活安全課(防犯係)」
になります。
なお、窓口へ行く前は必ず訪問日時を
警察署に連絡しておいてください。
いきなり行くと担当者が不在で
申請できない場合も多いからです。
申請ができるのは平日の日中のみです。
申請の際は必要書類と併せて、
- 身分証
- 印鑑
- 申請費用の19,000円
を持参しましょう。
古物商取得時には19,000円の手数料がかかりますが、
年会費や更新費用などは一切発生しません。
なお、許可証は申請完了後
すぐに交付されるわけではありません。
提出した書類をもとに審査が行われ、
許可が下りるまでに40日程度かかります。
STEP6:交付手続きをする
許可が下りたら警察署から連絡が来るので、
再度、窓口へ行きます。
交付手続きの際は
- 認印
- 身分証(免許証や保険証)
- 筆記用具
を持って行きましょう。
まとめ
今回の記事で、古物商許可の個人での
取得方法や大まかな流れについては
わかっていただけたかと思います。
ただし、初めにお伝えした通り、
必要書類や書類の記入方法などは
地域によって異なります。
書類不足や記入ミスがあると、
受理してもらえず時間の無駄に
なってしまいます。
全体像を把握できたら
まずは管轄の警察署へ電話し、
「古物商許可を取得したいのですが、
必要書類等について教えていただけますか?」
といった感じで相談しましょう。
不安な方は、警察署の窓口で
直接相談しながら記入すれば
ミスを防げてお勧めです。