ネット物販歴20年超え
Amazon個人物販の専門家 加藤さとしです。
中国輸入Amazon販売を実践するにあたり、
この記事を読んでいるあなたは今、
船便は、航空便と比べてどんなメリット・デメリットがあるの?
船便ってやっぱり配送日数が長いのかな?
船便の配送料金はどれくらいなの?
船便を利用するときの注意点はあるの?
こういった疑問を抱えているのではないでしょうか?
一般的に船便輸入は、
「配送料金が安い代わりに、届くまで時間がかかる」
というイメージを持っている人が多いと思いますが、
実はそれ以外にもメリット・デメリットがあります。
また、単純に”配送料金の安さのみ”で船便を選ぶと、
本来得られる利益を逆に失ってしまう恐れもあるので
注意しなければいけません。
今回の記事では、中国輸入における
船便輸入のメリット・デメリットや
配送日数・料金を中心に解説していきます。
この記事を読むことで
「あなたが最終的に船便と航空便、どちらを利用すべきか」
がわかるようになっているので、
輸入物販の配送方法で悩んでいる人は
ぜひ参考にしてみてください。
中国からの船便輸入のメリットは?
まずは、中国輸入における船便のメリットから解説します。
メリット①配送料金が安い
メリット②航空便では輸送できない商品を送れる
①配送料金が安い
船便の配送料金は、中国からの航空便と比べて
安くなる傾向にあります。
配送料が下がれば、その分利益率は上がりますし、
航空便輸入では利益が出ない商品も
仕入れ対象にすることができます。
具体的な配送料金は、
船便の配送方法によって異なります。
その配送方法は、
- FCL(コンテナ輸送)
- LCL(混載輸送)
この2つがあり、FCLを利用した場合は
より安くなる傾向にあります。
ただし、仕入れ数量によっては逆に
割高になってしまう場合もあります。
この点は後ほど詳しく解説します。
②航空便では輸送できない商品を送れる
中国からの航空便では、
代行業者によっては通常輸送できない商品を
船便なら送れる可能性があります。
例えば・・・
- リチウムイオン電池を使った製品(例:モバイルバッテリー、ノートPC)
- 液体関係(化粧品、マニキュア)
- 磁石を使った製品(例:手帳型のマグネットで止まるスマホケース)
といったものです。
上記商品は航空便の特別プランを使えば
送れる場合もありますが、通常の航空便の
料金よりさらに割増になります。
テスト販売のための少量仕入れなら
航空便の特別プランでもいいのですが、
本仕入れで大量輸入する場合は船便で送るのが
おすすめです。
中国からの船便輸入のデメリットは?
次に、船便輸入のデメリットです。
デメリット①配送日数がかかる
デメリット②キャッシュフローが悪化する
①配送日数がかかる
中国からの船便輸入は、
一般的に航空便よりも配送スピードが遅いです。
以前と比べたらだいぶマシになっていますが、それでも
航空便なら2〜3日、平均1週間程度で到着するところが
船便だと早くて10日、遅いと2.3週間以上かかることもあります。
配送日数は、輸入元や輸入時期、
輸入方法(FCL、LCL)などでも変わります。
いずれにせよ、配送スピードでは航空便に敵わないので、
船便はスケジュールに余裕を持たせて発送するか、
納期が遅れても大丈夫な場合のみ利用するのがいいでしょう。
②キャッシュフローが悪化する可能性がある
中国輸入における船便は
航空便より配送料金は安く、
1商品あたりの利益は高くなる。
だったら、
船便を使った方がいいんじゃないの?
と思うのですが、必ずしもそうとは限りません。
なぜなら、
配送期間が長くなると
キャッシュフローが悪化する恐れがある
からです。
具体例を見てみましょう。
今回、以下のようなケースを想定します。
- 航空便の配送日数は3日
- 船便の配送日数は20日
- 納品から3週間(21日)で全て売り切れると仮定
ここで、投じたキャッシュをどのくらいの期間で
全て回収できるのか考えてみましょう。
上記の例ですと、キャッシュを全て回収できる期間は
- 航空便→24日
- 船便→41日
となります。
この場合、同一の期間において、
航空便では「仕入れから販売までのサイクル」を”約1.7回”回せる
のに対して、船便では”1回”しか回せません。
仮に、航空便を利用した場合の利益が60万円、
船便を利用した場合の利益が50万円の場合、
1回あたりの利益は確かに航空便の方が10万円多いですが、
上記のような期間で見た場合は
- 航空便→60万円
- 船便→85万円
となり、船便の利益の方が25万円多くなるのです。
船便の配送料金は安く、1商品あたりの利益も
高くなるのは魅力的なのですが・・・・
目先の利益に囚われて船便を使うと
キャッシュフローが悪化し、
本来得られたであろう利益を逃がしてしまう
恐れがあります。
ですので、配送料金が安いからといって
すぐに船便を選ぶのではなく、、
”キャッシュフローの観点から考えて
総合的にどちらが利益を最大化できるのか”
も考える必要があります。
船便輸入の配送方法「FCL(コンテナ輸送)」「LCL(混載輸送)」のメリット・デメリット
先ほどお伝えしたように、
中国輸入における船便の配送方法には
- FCL(コンテナ輸送)
- LCL(混載輸送)
上記2つがあります。
それぞれ特徴が異なり、
メリット・デメリットがあります。
FCL(コンテナ輸送)とは?
FCL(Full Container Load)とは、
コンテナを一つ借り切って中国から配送する方法で、
大量の商品を中国輸入する場合に適しています。
FCLのメリット・デメリットは以下の通りです。
- FCLのメリット①送料がかなり安くなる
- FCLのメリット②配達日数はLCLよりも短い
- FCLのメリット③商品破損リスクが少ない
- FCLのデメリット①荷物量が少ないと割高になる
FCLのメリット①送料がかなり安くなる
FCLでは、コンテナ1つを丸々貸し切って
中国からの輸入を行います。
「コンテナを借りる」と聞くと、
配送料は逆に高くなるんじゃないか?
と思うかもしれませんが、
一度に大量の商品を配送できる分、
航空便と比べても非常に安くなります。
具体的な配送料は、コンテナのサイズなど
によって変わります。
コンテナのサイズごとの配送料
コンテナは、一般貨物用の「ドライコンテナ」や、
生鮮食品用の「リーファーコンテナ」など様々な種類があり、
種類ごとにサイズ・最大積載重量が変わってきます。
私たちが中国輸入をして
Amazonで販売する商品については、
「ドライコンテナ」を利用することが大半です。
ドライコンテナは主に以下の
3タイプが用意されています。
種類 | サイズ (長さ×幅×高さ) | 最大積載重量 |
20フィートコンテナ | 約5.7m×2.3m×2.4m | 2.8トン |
40フィートコンテナ | 約12m×2.3m×2.4m | 2.6トン |
40フィートハイキューブコンテナ | 約12m×2.3m×2.7m | 2.6トン |
※コンテナのサイズ、最大積載重量は
船会社によって若干異なります
また、配送料の目安ですが、
- 20フィートコンテナ:20〜30万円前後
- 40フィートコンテナ:40〜50万円前後
となります。
ただし、料金は、
貨物の重量容積・貨物内容、運送区間によっても変動し、
正確に計算をすることは難しいので、あくまで
目安として考えておいてください。
FCLのメリット②配達日数はLCLよりも短い
FCLのメリット2つ目は、
配達日数がLCLよりも短い点です。
FCLで使うコンテナの中は全て自社商品で
港に到着した後に荷物を振り分ける作業が不要なため、
その分、配送日数は短くなります。
FCLの中国からの輸入配送日数は、
早ければ10日〜15日程です。
※日数については、どこの国から輸入するのか、
いつ輸入するのかによっても変わります。
例えば、中国の大型連休である春節の期間中は
物流会社がストップしてしまい配送日数は
大幅に伸びてしまうので注意しなければいけません。
FCLのメリット③商品破損リスクが少ない
FCLのメリット3つ目は、
商品の破損リスクが少ないことです。
貸し切ったコンテナは自由に使えるため、
商品にダメージが加わらないよう
積み込んでいくことができます。
また、コンテナは積み込みが終わったら
途中で開けることなく納品先まで届けられます。
人の手に触れる機会が少ない点も
破損リスクが少なくなる要因です。
FCLのデメリット①荷物量が少ないと割高になる
FCLのデメリットは、荷物量が少ないと
逆に割高になってしまう点です。
コンテナ1つに入るくらいの荷物量でない場合は、
次に紹介するLCLを利用した方が
配送料は安くなる可能性があります。
LCL(混載輸送)とは?
LCL(Less Than Container Load)は、
1つのコンテナを他の人とシェアして送る方法で、
少量の荷物を輸送する場合に適しています。
LCLのメリット・デメリットは以下の通りです。
- メリット①少量の荷物を安く送れる
- デメリット①配送日数が長くなる
- デメリット②商品破損リスクがある
LCLのメリット①少量の荷物を安く送れる
LCLのメリット1つ目は、
少量の荷物を安く送れることです。
例えば、段ボール10箱分などコンテナを
貸し切って送るほどの量ではない場合は
LCLを使った方が配送料は安くなります。
配送料ですが、LCLには
- 配送スピードが通常のノーマル便
- 配送スピードが速い速達便
主にこの2タイプがあり、それぞれ料金が異なります。
- ノーマル便:1m3あたり1.5万円〜2万円
- 速達便:1m3あたり2.5万円〜3.3万円
1m3は、段ボールのサイズにもよりますが、
だいたい段ボール5個くらいの容量です。
LCLのデメリット①配送日数が長くなる
LCLのデメリット1つ目は、
FCLと比べて配送日数が長くなる点です。
配送日数は、
- ノーマル便の場合は1ヶ月〜
- 速達便の場合は約2〜3週間
くらいを目安に考えてください。
LCLのデメリット②商品破損リスクがある
LCLのデメリット2つ目は、
商品破損リスクがあることです。
FCLと違い、コンテナ内には他の荷物もあるため
接触等で自社商品がダメージを負ったり、
港での振り分け作業中に落下・破損してしまう
などのリスクもあります。
中国輸入においては船便と航空便、結局どちらで送ればいいのか?
ここまで船便輸入のメリット・デメリットを
中心に見てきましたが、結局
船便と航空便、どちらを使えばいいのでしょうか?
中国輸入で船便を利用した方がいいケース
①配送料をなるべく抑えたい
ただし、商品内容や数量によっては
「航空便」の方が安くなるケースもあります。
代行業者に発送をお願いする際、どちらの方が
安くなりそうかを問い合わせてみましょう。
②一度に大量の商品を輸入する
大量の商品を輸入する場合は
船便の料金の方が圧倒的に安くなります。
ただし、資金に余裕がない段階では
キャッシュフローに悪影響がないかも考えて
利用するようにしましょう。
③納期に余裕がある
船便の配送日数は2週間〜1ヶ月前後です。
納期にある程度余裕があり、
なおかつ大量に輸入する場合は
船便を利用するのがいいでしょう。
④航空便で送れないものを輸入する
- リチウムイオン電池を使った製品(例:モバイルバッテリー、ノートPC)
- 液体関係(化粧品、マニキュア)
- 磁石を使った製品(例:手帳型のマグネットで止まるスマホケース)
といった航空便では通常送れないものは
船便輸入をしましょう。
⑤重量があるものを輸入する
サイズはそこまで大きくないけど
重量がある商品、たとえばダンベル。
もし、10kgのダンベル10個を
中国からEMSで発送した場合、
配送料だけで10万円を超えてしまいます。
このように重量があるものを輸入する場合も
割安の船便が適しています。
航空便を利用した方がいいケース
①配送期間を短くしたい
季節性の商品仕入れ時や
早急に在庫補充が必要な場合などは
航空便を利用したほうがいいでしょう。
②テスト仕入れで少量の商品を輸入する
新商品を販売する際は、最初に
テスト販売を行う必要があります。
テスト販売は少量仕入れが基本なので、
この場合は船便ではなく航空便でOKです。
まとめ
今回は中国輸入Amazon販売における
船便輸入のメリット・デメリット、
航空便輸入と比較した配送日数、料金を
中心に解説しました。
船便・航空便ともに一長一短があり、
どちらを使うべきかは利用シーンに
よって異なります。
結論としては、Amazonなどでの売上が
ある程度軌道に乗ってくれば
商品によっては船便を利用する選択肢が出てくる
と考えてもらっていいです。
ぜひ覚えておいてくださいね。