中国輸入Amazon物販の専門家 加藤さとしです。
転売・物販ビジネスを始めたばかりの人に
よくありがちなミス。
それは、経費を甘く見積もってしまうことです。
単純な国内転売でかかる経費は
- 商品価格
- 送料
- 梱包代
- 各プラットフォームの手数料
といった程度で
シンプルなので問題ないでしょう。
しかし、中国から輸入する場合は
もちろんそれより経費がかかります。
そのため、かかる経費をドンブリ勘定すると、
「実はほとんど儲かっていなかった・・・」
という事態になりかねません。
そこで今回は、
「中国輸入物販の平均利益率」
について解説したうえで、
「どんな経費が」「いくらかかるのか」
について公開していきます。
加藤さとし
中国輸入Amazon販売の平均利益率は「30%」前後
まずは、中国輸入Amazon販売の
「利益率」についてです。
ここで言う利益率とは、広告費以外の
全経費を差し引いた利益額を指します。
広告費をどれだけかけるか?は
商品やそのときの状況により様々だからです。
気になる利益率ですが、
平均30%前後となっています。
商品によっては40%台という
高利益率になる場合もあります。
国内転売の利益率が
だいたい10〜20%前後なので、
比べると利益率ははかなり高いと言えます。
もちろん、中には20%台の商品もありますが、
そういった商品は仕入れの段階で極力避ける
ようにしましょう。
加藤さとし
中国輸入物販の利益計算方法
中国輸入オリジナルブランド商品を
Amazonで販売して稼ぐ際、かかる経費は
以下のとおりです。
中国国内で発生する費用
①仕入れ代金
②中国国内の送料
③国際送料
④代行会社へ支払う手数料
⑤関税・消費税・通関手数料
日本国内で発生する費用
⑥Amazon販売手数料
⑦AmazonFBA手数料
利益計算方法は、
Amazon販売価格 ー(①〜⑦をすべて足した金額)
となります。
思った以上にいろんな経費がかかるなぁ・・・
と感じたのではないでしょうか?? ^^;
でも、安心してください。
たしかに種類は多いのですが、
1つずつ分解していけば難しいものはないですし、
商品選びを間違わなければ、これら費用を差し引いても
利益を出すことは十分可能です。
では次から、各経費の詳細について
注意事項と併せて解説していきます。
中国輸入Amazon販売でかかる手数料&費用一覧
費用その① 商品代金
中国から商品を仕入れる際は
- 卸サイトの「アリババ」:最低ロット数が決められているが安い
- 一般ユーザー向けの「タオバオ」:1個から買えるが若干高い
- 海外向けの「アリエクスプレス」:価格は高めだが日本への直発送が可能
といった中国のECサイトを利用します。
商品価格をできるだけ抑えるなら
「アリババ」がおすすめです。
アリババはもともとの価格が安い上に、
購入ロットを増やせば
商品単価を下げることができます。
上記のセーターの場合ですと、
- 2〜4枚の購入で51元(約819円)
- 5〜9枚の購入で49元(787円)
- 10枚以上で47元(756円)
となっています。
初めはテストマーケティングとして
少量を仕入れて販売しますが、
売れると分かったら発注数を増やすことで
仕入れ価格を抑えることができます。
費用その② 中国国内の送料(問屋・工場→代行会社)
中国国内のお店や工場から現地の代行会社まで
荷物を送るときに送料がかかります。
中国で仕入れたものは基本的に
日本へ直送できないので(アリエクスプレス除く)、
一度、代行会社を通す必要があります。
中国国内の送料は、荷物の重量や容積にもよりますが、
ダンボール1個あたり平均100円くらい〜です。
アリババでは「物流」という項目に
送料が記載されており、
代行会社の住所を選択することで
具体的な送料がわかります。
上記の場合ですと送料は3元、
日本円で約50円です。
費用その③ 国際送料(中国→日本Amazonの倉庫)
中国から日本AmazonのFBA倉庫へ
配送する際にかかる国際送料です。
代行会社を使う場合、
国際送料は会社ごとに微妙に異なる金額が
設定されています。
こちらも重量や容積によって異なりますが、
だいたいダンボール1個あたり
平均200〜400円程度です。
費用その④ 代行会社へ支払う手数料
代行会社を使うと、必ず手数料が発生します。
具体的な金額は、商品代金の5〜10%前後の手数料
もしくは月額2万円〜の固定手数料
といったケースが多くなっています。
(現在は、後者の方が多いです)
代行会社への支払いは日本円でOKですが、
その際は為替手数料が別途1元につき+1円程度
商品代金に上乗せされます。
(例)代行会社への支払い手数料が「商品価格の5%」の場合
- 仕入れ代金:5,000元
- 為替レート:1元=16円
- 業者指定の加算レート:+1円
商品代金
仕入れ代金×(為替レート+業者指定の加算レート)
5,000元×(16+1)=85,000円
代行会社への支払手数料
85,000円×5%=4,250円
ですので、毎月一定の量を仕入れる場合は
月々定額の手数料のほうがお得な場合が多いです。
費用その⑤ 関税
海外から商品を輸入する際には”関税”がかかりますが、
そもそも、なぜ関税が存在するのか
ご存知でしょうか?
関税は、国内の産業衰退を阻止するべく
設けられた税金です。
海外の商品は、日本国内で作られたものより
安いことが多いです。
もしすべての輸入品に関税が一切かからなければ、
輸入品の方が国内産よりもはるかに安く販売され、
国内産は売れなくなってしまいます。
これが続くと日本国の産業が
どんどん衰退していってしまうため、
輸入品には関税をかけ価格を押し上げることで
国内産が売れやすくなるようにしているのです。
関税の計算方法
関税は次のような計算式で算出します。
- 商品代+国際送料=A
- A×関税率=関税額
関税率は製品の種類によって
細かく分けられています。
税率0%のものもあれば、
プラスチック・ゴム・繊維・皮製品などは
税率が50%を超えることもあるので、
あなたの扱う製品がどの関税率に該当するのか
チェックしておく必要があります。
また、関税率には
「簡易関税率」と「実行関税率」の2種類があり、
仕入額が20万円を超えるか否かで
どちらの関税率を適用するかが決まります。
商品代金+国際送料が20万円以下は「簡易関税率」
商品代金と国際送料の合計が20万円以下の
少額輸入に適用されるのが
「簡易関税率」です。
簡易関税率は以下の通りとなっています。
”簡易”と言われるように、
商品は大きく7つのみに分類されていて
比較的わかりやすいです。
なおここでは、注意点が2つあります。
1つ目は、課税価格の合計が1万円以下の場合は
原則、関税がかからない点です。
ただし、以下のような製品は
課税価格1万円以下でも関税が発生します。
- 革製のカバン
- ハンドバッグ
- 手袋等
- 編物製衣類(Tシャツ、セーター等)
- スキー靴
- 革靴及び本底が革製の履物類等
また、複数の商品を2個以上のダンボールで送る場合は
すべての合計額が課税価格となります。
仮に合計12,000円の商品を4つに分けて送った場合、
それぞれの金額は1万円以下ですが、
4つを合計した金額は1万円を超えるので関税は免れない
というわけですね。
2つ目の注意点は、製品の種類によっては
仕入額に関わらず簡易関税率を適用できないことです。
主な対象製品は以下のとおりです。
上記の製品を輸入する場合は、
次の「実行関税率」で
計算しなければいけません。
商品代金+国際送料が20万円超えは「実行関税率」
商品代金と国際送料の合計が20万円を超える場合、
または簡易関税率に該当しない場合は
「実行関税率」を適用します。
実行関税率は簡易関税率と比べて
とても細かく分類分けされており、
調べるのが少し大変です。
簡単ですが、調べ方を紹介します。
たとえば「折りたたみ傘」を
輸入する場合の関税率を見てみましょう。
まずは、税関のHP内にある
「実行関税率表」を確認します。
関税率表は随時更新されているので
最新版を確認してください。
実行関税率表では、製品の種類によって
97つに分類されています。
傘は「第66類」にありました。
表の右にある「税率」をクリックします。
傘の「折畳み式のもの」に
該当する部分をチェックします。
複数の税率がありますが、
各種税率の適用優先順位は
①(特別)特恵税率
②WTO協定税率
③暫定税率
④基本税率
となっています。
中国から輸入する場合は
「WTO協定税率」が適用されるので、
税率は4.3%です。
なお、商品によってはどこに分類されるか、
なかなか判断が付きづらい時もあります。
そのような場合は「税関」に問い合わせるのが
一番手っ取り早いですし正確です。
「輸出入通関手続や税番・税率等に関するお問い合わせ」
というページから問い合わせができます。
脱税行為の「アンダーバリュー」はNG!
中国から日本へ荷物を送る時、
代行業者は「INVOICE(インボイス)」
という書類を作ります。
インボイスには商品名や金額などが記載されており、
この書類をもとに税関は関税額を決定します。
インボイスを作る際は証明書など必要なく、
自由に書くことができます。
そこでたとえば、
実際の課税価格は100万円なのに
50万円と低く記載する。
そうすれば、単純に関税も半分になります。
このような行為は「アンダーバリュー」と呼ばれ、
不正取引の一つとして知られています。
アンダーバリューは脱税の1種であり、
バレると刑事罰の対象にもなるので
絶対にやってはいけません。
注意点として、自分の知らないところで
アンダーバリューが発生する恐れがあります。
どういうことかと言うと、こちらが望んでいないのに
代行会社によっては”サービス=税金が安くなる”として
低い金額を記載してしまうことがあるのです。
ですので、荷物が届いたら必ず、
インボイスの金額が合っているかを
確認してください。
費用その⑥ 中国輸出通関手数料・税関手数料
中国から商品を輸入する際は、
- 中国輸出通関手数料=1箱約80円(4元)
- 税関手数料=1箱200円
ダンボール1箱につき計280円程かかります。
この金額はダンボールの大きさや重さに関係なく、
一律約280円です。
費用その⑦ 消費税
海外から商品を輸入する際は、
関税だけでなく”消費税”も発生します。
消費税の計算方法は以下のとおりです。
- 商品代+国際送料+関税=B
- B×消費税(10%)=消費税額
(※2020年1月時点、消費税率10%)
なお、消費税は関税がかからないものでも
必ず発生するので注意してください。
ここまでが、中国から輸入する際にかかる経費です。
費用その⑧ Amazon販売手数料
ここからは、中国から輸入したものを
Amazonで販売する際にかかる手数料
について説明します。
主な手数料は以下の3つです。
- 出品プラン手数料
- 販売手数料
- カテゴリー成約料
出品プランごとにかかる手数料
Amazonで販売する際は
小口出品もしくは大口出品を選びますが、
今回はビジネス向けの「大口出品」を前提に解説します。
大口出品は販売の有無、数量等に関わらず、
基本料として月額4,900円がかかります。
商品カテゴリー別にかかる「販売手数料」
商品を1つ売るごとに
販売手数料も発生します。
販売手数料=商品代金の総額(配送料、ギフト包装料を含む)×販売手数料率
販売手数料率は8〜45%で
商品カテゴリーによって
以下のように異なります。
商品カテゴリー | 販売手数料率 |
Kindleアクセサリ | 45% |
| 15% |
(エレクトロニクス、カメラ、パソコン)付属品 | 10%(最低50円) |
| 10% |
| 8% |
なお、2019年9月1日から2021年2月28日までは、
一部のカテゴリーで適用条件を満たすと
販売手数料が割引されるキャンペーンを実施しています。
キャンペーン詳細は以下のとおりです。
対象カテゴリー | 適用条件 | 割引内容 |
| 売上合計が1,500円以下 | 販売手数料率を10%から8%に引き下げ |
| 売上合計が1,500円以下 | 販売手数料率を15%から8%に引き下げ |
| 売上合計が2万円を超える | 2万円を超えた部分は、販売手数料率を15%から10%に引き下げ |
| 売上合計が1万円を超える | 1万円を超えた部分は、販売手数料率を15%から5%に引き下げ |
| FBAまたはマケプレプライムで出荷した注文の売上合計が3,000円を超える | 3,000円を超えた部分は、販売手数料率を15%から8%に引き下げ |
| FBAまたはマケプレプライムで出荷した注文の売上合計が7,500円を超える | 7,500円を超えた部分は、販売手数料率を15%から5%に引き下げ |
カテゴリー成約料
メディア商品(本、ミュージック、ビデオ・DVD)を売ると、
以下のカテゴリー成約料が発生します。
商品カテゴリー | カテゴリー成約料 |
本 | 80円 |
ミュージック、ビデオ・DVD | 140円 |
ただし、中国輸入物販で上記商品を
扱うことはほとんどないと思うので、
参考程度に留めておいてください。
費用その⑨ Amazon FBA手数料
FBAは、Amazonで販売をする際に
欠かせない配送システムです。
FBAを利用して商品を発送すると、
配送代行手数料が発生します。
配送代行手数料は、商品の出荷・梱包・配送
といった作業にかかる手数料です。
Amazonでは商品のサイズ・重量によって
5つの商品区分に分けており、それぞれの区分ごとに
金額が異なります。
※Amazonは2020年4月1日より、
配送代行手数料を値上げすると発表しました。
以下は、2020年4月1日から適用される
最新の配送代行手数料です。
小型低単価商品
小型低単価商品は、次の4条件を満たす
商品に適用することができます。
- サイズ:メール便サイズ(35.0cm×30.0cm×3.3cm)
- 商品+梱包資材の重量:950g以下
- 販売価格:1,000円以下
- 販売実績:過去4週間で25個以上を販売
手数料は商品価格に関わらず一律198円です。
ただし、この手数料を適用させるには
事前に「FBA小型軽量商品プログラム」の
登録が必要です。
未登録の場合は、適用条件を満たしていても
次の「小型商品」の料金が適用されてしまいます。
小型商品
小型商品は、
- サイズ:25×18×2cm未満
- 重量:250g未満
上記2つの両方を満たす商品に適用されます。
手数料は一律282円です。
なお、サイズと重量のどちらか一方を超過していると、
上位の商品としてみなされてしまうので
注意してください。
標準商品
標準商品は、
- サイズ:45×35×20cm未満
- 重量:9kg未満
上記2つの両方を満たす商品に適用されます。
手数料はサイズ・重量によって
以下のように異なります。
サイズ | 33×24×2.8cm未満 | 60cm未満 | 80cm未満 | 100cm未満 |
重量 | 1kg未満 | 2kg未満 | 5kg未満 | 9kg未満 |
配送代行手数料 | 381円 | 421円 | 467円 | 548円 |
大型商品
大型商品は、
- サイズ:45×35×20cm以上
- 重量:9kg以上
上記のいずれかを満たす商品に適用されます。
手数料はサイズ・重量によって
以下のように異なります。
サイズ | 60cm未満 | 80cm未満 | 100cm未満 | 120cm未満 | 140cm未満 | 160cm未満 | 180cm未満 | 200cm未満 |
重量 | 2kg未満 | 5kg未満 | 10kg未満 | 15kg未満 | 20kg未満 | 25kg未満 | 30kg未満 | 40kg未満 |
配送代行手数料 | 589円 | 712円 | 815円 | 975円 | 1,020円 | 1,100円 | 1,532円 | 1,756円 |
特大型商品
特大型商品も大型商品同様に、
- サイズ:45×35×20cm以上
- 重量:9kg以上
上記のいずれかを満たす商品に適用されます。
手数料はサイズ・重量によって
以下のように異なります。
サイズ | 200cm未満 | 220cm未満 | 240cm未満 | 260cm未満 |
重量 | 50kg未満 | |||
配送代行手数料 | 3,061円 | 3,970円 | 4,995円 | 6,250円 |
その他FBA利用時にかかる手数料
FBAを利用するにあたり、場合によっては
以下の手数料も発生する可能性があります。
- 在庫保管手数料…Amazonの倉庫で保管されている、すべての在庫にかかる手数料
- 長期在庫保管手数料…Amazonの倉庫に365日以上保管されている、メディア商品以外の在庫にかかる手数料
- 在庫の返送/所有権の放棄手数料…販売不可となった商品を返送・放棄する手数料
- 納品不備受領作業手数料…Amazon倉庫へ納品する際に不手際のある商品にかかる手数料
- ラベル貼付代行手数料…ラベル貼付けをAmazonに代行する手数料
- 梱包準備手数料…商品の梱包をAmazonに代行する手数料
大型の商品を扱う場合は、特に
- 在庫保管手数料
- 長期在庫保管手数料
この2つが利益を圧迫する恐れがあるので
注意してください。
まとめ
今回は、中国輸入Amazon販売の平均利益率と
経費一覧について紹介しました。
中国輸入Amazon販売でかかる
費用の一覧は以下の通りでした。
中国国内で発生する費用
①仕入れ代金
②中国国内の送料
③国際送料
④代行会社へ支払う手数料
⑤関税・消費税・通関手数料
日本国内で発生する費用
⑥Amazon販売手数料
⑦AmazonFBA手数料
中国輸入Amazon販売では、
上記①〜⑦の経費をすべて考慮した上で、
平均利益率が30%を超えるような
商品選び、販売価格を意識しましょう!