中国輸入品の仕入れ交渉時に確認すべき5つのポイントと注意点-min

 

中国輸入Amazon販売の専門家 加藤さとしです。

 

中国輸入ビジネスでは、仕入れ段階において

店舗・工場と交渉をすることで、より良い条件での

仕入れが可能になります

 

また、問題が発生しやすい納期、品質面についても、

事前の交渉で、ある程度は未然に防ぐことが可能です。

 

とは言え、初めて中国輸入ビジネスに取り組む人は

何を、どのように交渉すればいいかわからない・・・

という人が大半だと思います。

 

そこで今回は、中国輸入品の仕入れ交渉時に

確認すべき5つのポイントと注意点について

紹介していきます。

 

これから中国輸入ビジネスを始める方

リサーチが終了し、商品を仕入れる段階にいる方

より良い条件で仕入れるための交渉方法を知りたい方

 

こんな方はぜひ参考にしてみてください。

 

 

中国輸入ビジネスで交渉をする際に注意すべきポイント

中国輸入ビジネスで交渉をする際に注意すべきポイント-min

 

まずは、中国輸入ビジネスで交渉をする際に

注意すべきポイントを2つ紹介します。

 

代行業者を通して交渉する

相手のメリットを考えた交渉をする

 

 

代行業者を通して交渉する

 

タオバオやアリババに出店している

店舗・工場と交渉する方法は、

 

  • 阿里旺旺(チャット)を使う
  • 代行業者に依頼する

 

このいずれかです。

 

阿里旺旺を使えば直交渉できますが、

中国のビジネス文化に精通しており、

中国語がネイティブ並に堪能でなければ

おすすめしません。

 

一般的な問い合わせ程度なら

Google翻訳を使えばなんとかなります。

 

ですが、交渉となると話は別です。

 

細かいニュアンスの違いで、こちらの要望が

正確に伝わらない恐れがありますし、

 

微妙な駆け引き等もあるので、中国の文化を

知らないわたしたち日本人が

いきなり交渉しても難しいです。

 

それに新規客がいきなり値下げ等の交渉をしても、

すんなりと受け入れてはくれません。

 

一方、代行業者は言語はもちろん、

現地のビジネス文化も理解しており、

店舗・工場によっては過去に取引したことが

あるなど関係性を築いている場合もあります

 

以上の理由から、中国輸入ビジネスで

店舗・工場と交渉をするなら、まずは

代行業者に依頼することをおすすめします。

 

 

相手のメリットを考えた交渉をする

 

交渉時は、必ず相手のメリットを考えましょう。

 

たとえば値下げ交渉をする際、

一方的に「なんとか安くしてもらえませんか?」と言っても、

よほど信頼関係がなければ無理な話です。

 

○○個買うので、その分1個あたりの

単価を下げてもらえませんか?

 

このように、相手にメリットがあることを掲示した上で、

こちらの要望を伝えることが重要です。

 

 

中国輸入品の仕入れ時にすべき5つの交渉

中国輸入品の仕入れ時にすべき5つの交渉-min

 

中国輸入品の仕入れ時にすべき

5つの交渉ポイントと具体的な

交渉方法について紹介します。

 

①仕入れ単価の交渉
②最小ロット数の交渉
③納期(リードタイム)の交渉
④品質面の交渉
⑤不良品に関する交渉

 

 

①仕入れ単価の交渉

 

仕入れ単価の交渉をして、

1個あたりの価格を下げてもらいます。

 

仕入れ費用が下がれば、

必然的に利益率が上がります。

 

しかし、単純に「値下げして!」と言ったところで、

相手もビジネスとしてやっている以上、

メリットがなければ応えてくれません。

 

では、どうすれば仕入れ単価を

下げてもらえるのか?

 

6つの方法を紹介します。

 

仕入れ単価を下げてもらう6つの方法

  • 複数の工場に見積もり依頼をする
  • ロット数を上げる
  • 原型を流用する
  • 素材を安価なものに変更する
  • 機能を省く
  • 何度も取引をする

 

 

複数の工場に見積もり依頼をする

 

アリババやタオバオでは、

複数の店舗・工場が同じ商品を作り、

販売していることがあります。

 

複数の工場に見積もり依頼をする-min

 

上記のように、全く同じ商品でも

販売価格は店舗によって異なるので、

必ず複数の店舗に見積もり依頼をしましょう

 

この方法は正確には交渉ではないですが、

仕入れ単価を下げる方法としては

非常に有効です。

 

複数の工場に見積もり依頼をする-2-min

 

仕入れたい商品を見つけたら、

その商品に含まれているキーワードで検索、

または画像検索をすることで複数候補を見つけられます。

 

なお仕入れ先を選ぶ際は、販売価格だけでなく

店舗評価が良いところを選ぶことも重要です。

 

安さだけで選ぶと、商品クオリティが低い、

対応が遅いといった問題のある店舗に

当たってしまいます。

 

OEM商品を作る場合は、その店舗が

OEMに対応しているかも確認しましょう。

 

 

ロット数を上げる

 

ロット数を上げるのは

仕入れ単価を抑える王道の方法です。

 

アリババではロットが増えるほど

単価が安くなります。

 

ロット数を上げる-min

 

上記のTシャツは、

 

  • 2枚以上の購入で26元(約525円)
  • 99枚以上の購入で25元(約505円)
  • 399枚以上の購入で24元(約484円)

 

となっており、399枚購入する時は

2枚購入する時と比べて約8%値下がりします。

 

店舗によっては

大ロットで購入するから、さらに値下げしてほしい

と交渉すれば、承諾してくれることもあります。

 

 

原型を流用する

 

OEM商品を開発する際は、

元の商品の原型を変えずに改良することで

仕入れ単価を抑えられます。

 

形を変えると別の金型を作らなければいけないため、

その分コストが嵩み、単価は上がってしまいます。

 

また、新しい金型で作った製品は

品質のバラツキが発生する恐れもあります。

 

形を変えることで、ライバルに真似されづらくなる

といったメリットはありますが、コスト面・品質面を

重視するなら、元の商品の原型を流用するのが良いです。

 

こちらも交渉とは若干異なりますが、

OEM商品を開発する上では

必ず頭に入れておいてほしい点です。

 

 

素材を安価なものに変更する

 

  • 本革をフェイクレザーにする
  • 麻をポリエステルにする

 

といったように、安価な素材に変更することで、

仕入れ単価を低くできないか交渉する方法です。

 

もちろん工場によって対応できるところ、

できないところがあるので交渉次第となります。

 

 

不要な機能、デザインを省く

 

不要と感じる機能・デザインに関しては

思い切って省いてしまい、その分、

仕入れ価格を下げられないか交渉する方法です。

 

この部分は付けないでいいから、

その分値下げしてもらえませんか?

といった感じで、交渉するのがいいでしょう。

 

 

何度も取引する

 

中国は、人間関係を非常に重視する国です。

 

中国では、人間関係を大きく

外人=よそもの、朋友=親しい間柄の人

この2段階で意識しています。

 

初めての取引では、外人(よそもの)なので

交渉してもなかなかうまくいきません。

 

しかし、何度も取引(仕入れ)して信頼関係を築けば、

交渉のテーブルについてもらえるようになります

 

 

②最小ロット数の交渉

 

中国輸入でよく使う「アリババ」は、

一般消費者向けのECサイトと違い

最小ロット数(最小発注数量)が決められています。

 

最小ロット数の交渉-min

 

中には最小ロット数が50個以上、

100個以上と多い商品もあります。

 

最小ロット数が多いと、

 

  • 仕入れ資金が多く必要になる

 

  • 販売初期の売れる確信がない段階の場合、

    万が一売れなかったら大赤字になってしまう

 

  • 売れる商品でも、最小ロット数が多く

    仕入れのたびに在庫過多になっていると

    キャッシュフローが悪化してしまう

 

といった問題が出てきます。

 

そのため、仕入れ資金が少ない時や

テストマーケティング用に仕入れる時は

最小ロット数を下げてもらえないか

交渉すべきです。

 

最小ロット数を下げてもらう

交渉方法は以下の2点です。

 

最小ロット数を下げてもらう方法

①仕入れ単価を上げる
②継続的に取引をする旨を伝える

 

 

仕入れ単価を上げる

 

仕入れ単価を上げれば、最小ロット以下でも

販売してくれる場合があります。

 

利益率は下がりますが、あまり資金がない段階や

サンプル品として発注する場合は致し方ありません。

 

 

継続的に取引をする旨を伝える

 

テストマーケティングで売れるとわかった商品は、

今後も継続的に発注する旨を伝えることで

最小ロット数を下げてもらえる可能性があります。

 

またこの段階では難しくても、

繰り返し取引をすることで信頼関係が構築され

少ないロットでも取引できるようになる場合もあります。

 

 

③納期(リードタイム)の交渉

 

日本国内の業者から仕入れる時と比べて、

中国から仕入れる場合は

どうしても納期が伸びてしまいます。

 

納品に時間がかかると、

販売機会を逃してしまう、キャッシュフローが悪化してしまう

といった恐れがあります。

 

仕入れ時は販売単価や最小ロットに目が行きがちですが、

交渉でいかに納期を短くしてもらえるかも重要ポイントです。

 

 

納期のすり合わせを行う

 

発注時は納期がどれくらいになるかを

必ず確認しましょう。

 

あまりにも時間がかかるようなら、

短くできないか交渉します。

 

また、工場で1日あたりに生産可能な

個数も聞いておきましょう

 

たとえば、500個発注したい場合。

1日最大50個作れるなら、

500個生産するのに最低10日はかかります。

 

そこから梱包や発送作業等をする手間を考えると

だいたい何日前に追加発注をすべきか?

目処が付くと思います。

 

大方の納期を理解しておくことで、

欠品による販売機会の損失を防ぐことができます。

 

 

大型連休を把握した上で仕入れ交渉をする

 

中国には「春節」と「国慶節」という

2つの大型連休があります。

 

中国の主要な長期連休

  • 春節(旧正月):(2022年)1月31日〜2月6日
  • 国慶節:毎年10月1日〜10月7日

 

国慶節は毎年10月1日〜10月7日の

7日間と決められています。

 

春節は毎年日程が若干違います。

 

春節と国慶節では、前後の期間も含めて、

店舗、工場、代行業者はもちろん、

運送会社も休業します。

 

この期間は物流が完全にストップしてしまうため、

事前にスケジュールを確認した上で、

仕入れの予定を立てる必要があります。

 

なお、実際の連休期間は

会社によってバラバラです。

 

そのため、店舗、代行業者、配送会社毎の

休業期間を必ずチェックしなければいけません。

 

さらに連休明けも、滞った注文を処理するために

通常よりも納期が伸びる可能性が高いです。

 

大型連休明けに発注の予定がある方は、

連休前に納期の交渉をしておくことを

おすすめします。

 

 

④品質面の交渉

 

中国製品のクオリティは以前より

上がっているとはいえ、まだまだ

バラツキがあるのが現状です。

 

不良品率が高いと、商品の評価は下がり

レビューも悪いものばかりになって

売れなくなってしまいます。

 

不良品を避けるには、自社で検品する、

または代行業者への検品依頼が必須ですが、

すべての商品を隅から隅まで

チェックすることは難しいです。

 

なので、そもそもの問題として、

高品質な商品を作ってもらえるように

店舗・工場側と交渉をする必要があります。

 

 

本発注前に検品項目を伝えておく

 

商品の種類によっては、不具合が起きやすい

部分がある程度決まっていることがあります。

 

たとえばアパレル用品なら、

 

  • ボタンが取れている
  • ほつれや汚れがある
  • デザインのプリントズレやかすれがある

 

などがよくある例です。

 

欠陥が発生しそうな部分に関しては

本発注前に工場側に伝えて、

 

  • 生産時に問題ないかを確認してもらう
  • 問題があったら弾いてもらう

 

ようにしましょう。

 

これだけでも、不良品率はある程度

下げることができます。

 

さらに、代行業者の特別検品サービスを利用し、

問題が起きやすい部分を念入りに検品してもらえば、

さらに減らせるでしょう。

 

 

不良品が見つかったら、改善依頼をする

 

事前に検品項目等を工場側に伝えても、

不良品率を0にすることはできません。

 

重要なのは、不良品が見つかったら

工場側に改善依頼を出すことです。

 

欠陥が起きる部分は決まっていることが多いので、

一つずつ改善していけば、徐々に0へ

近づけていくことができます。

 

 

⑤不良品に関する交渉

 

店舗・工場側がある程度注意していても、

不良品は必ず発生するものです。

 

そこで重要なのが、

本発注前に不良品の基準と返品・返金方法などの

すり合わせをしておくことです。

 

 

不良品の基準と返金・交換方法などのすり合わせをしておく

 

不良品と感じる基準は、人によって違います。

 

この違いは、日本人と中国人の間でも大きく変わります。

 

日本人はシビアなので、

ほんの少しの色褪せや外箱のつぶれ等でも

不良品として認識することが多いです。

 

一方、中国人は「普通に使う分には問題ない」

という理由で、不良品として認識しない場合があります

 

商品を仕入れる時点でこの基準を定めておかないと、

返品しようと思っても「ウチの基準では良品」と一蹴され

受け付けてもらえない恐れがあります。

 

不良品があった場合は、

返金または交換してもらえるように

交渉しておくことも重要です。

 

店舗・工場によっては、返金・交換に

一切対応しないところもあるからです。

 

そのため、本発注前には不良品の基準と

対応方法を事前に交渉しておくようにしましょう。

 

 

まとめ

 

中国輸入品を仕入れる際は、

 

仕入れ単価の交渉

最小ロット数の交渉

納期(リードタイム)の交渉

品質面の交渉

不良品に関する交渉

 

この5点については必ず確認、

必要であれば交渉しましょう。

 

交渉の際は、

 

  • 代行業者を通す
  • 相手のメリットを考える

 

この2点を頭に入れておいてください。

 

特に、相手のメリットを考えない

無茶な交渉や頻繁な交渉をしていると、

店舗・工場からはもちろん、

代行業者にも嫌われてしまいます

 

中国輸入ビジネスは、仕入れ店舗や

代行業者があってこそ成り立つビジネスです。

 

交渉は重要ですが、同時に、

お互いが長期的に良い関係を築いていけるような

行動をすることも大切です。