仕入れた商品が通関保留中に! どうすればいいの??-min

 

ネット物販歴25年超え

中国輸入Amazon物販の専門家 加藤さとしです。

 

海外で商品を購入したけど、なかなか届かない・・・。

 

追跡情報を見ると、なぜか税関で止まっていて、

そこには「通関保留中」の表示が。

 

一体何が・・・?

 

これは海外から商品を輸入する際、

稀にですが起こるトラブルの一つです。

 

通関保留中になってしまう原因はいくつかあり、

その原因によっては適切な手続きをすることで

税関を通過することが可能です。

 

逆に、期限内に手続きをしなかった場合は

せっかく購入した商品が返送されてしまうので

注意しなければいけません。

 

この記事では、海外から輸入した商品が

”通関保留中”になってしまう原因やその対処法

を中心に解説していきます。

 

 

通関保留中とは?

通関保留中とは?

 

通関保留中」とは、海外から輸入した商品が

何かしらの理由で税関を通過できず、配送が

保留状態になっていることです。

 

通関保留中になると、EMSや国際書留郵便等を

利用していたら、ステータスが「通関保留中」

となります。

 

またその後、

 

  • 外国から到着した郵便物の税関手続のお知らせ
  • 認定手続開始通知書

 

といった書類が届きます。

 

もし通関保留中になってしまったら、

通関保留になってしまった原因を調べて

適切な手続きをする必要があります。

 

 

通関保留中になる主な原因

通関保留中になる主な原因

 

通関保留になってしまう原因は、

大きく分けて以下の3つです。

 

  • 輸入禁止品に該当している
  • 輸入規制品に該当している
  • インボイスに不備がある

 

 

輸入禁止品に該当している

 

日本では、関税法で輸入禁止品

定められています。

 

これに該当していると判断された商品は、

税関でストップしてしまいます。

 

輸入が禁止されているものは

以下のとおりです。

 

  • 麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚せい剤、あへん吸煙具
  • 指定薬物(医療等の用途に供するために輸入するものを除く。)
  • けん銃、小銃、機関銃、砲、これらの銃砲弾及びけん銃部品
  • 爆発物
  • 火薬類
  • 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律第2条第3項に規定する特定物質
  • 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第6条第20項に規定する一種
  • 病原体等及び同条第21項に規定する二種病原体等
  • 貨幣、紙幣、銀行券、印紙、郵便切手又は有価証券の偽造品、変造品、模造品及び偽造カード(生カードを含む)
  • 公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品
  • 児童ポルノ
  • 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品
  • 不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号まで又は第10号から第12号までに掲げる行為を組成する物品

 

上記に該当している商品ですと、

残念ながら手続きをしても、すべて

没収・破棄されてしまいます。

 

なお、違法薬物や本物の銃器等を

仕入れる人はいないと思いますが・・・

 

中には、知らないうちに輸入禁止品に該当する商品を

仕入れてしまうこともあるので注意が必要です。

 

たとえば、コスプレ用の武器子供用のおもちゃの剣も、

通関保留の対象になってしまう恐れがあります。

 

こういった商品は、税関で

銃刀に該当する商品である」と

判断されれば、本物・フェイク品問わず

輸入禁止対象となります。

 

なので、できるだけ安全に輸入したいと考えている方は、

武器関係の商品は最初から輸入しないことを

おすすめします。

 

また、商標権を侵害するコピー品、

模造品にも注意が必要です。

 

あからさまに安いブランド品は

すぐに偽物と判断できます。

 

しかし、海外では定価より少し安い値段で

売られているコピー品も存在します。

 

日本ではほとんどありませんが、

海外ではいまだにコピー品を売る

ECサイトも多く存在します。

 

なので、欧米などからブランド品を購入する際は、

信頼できるサイトから購入するようにしてください。

 

一方、中国などのアジア市場では

ノーブランド品を購入することが多いですが、

「ノーブランド品だと思って仕入れた商品が

実はマイナーブランドの模造品だった」

というケースもあります。

 

もし、購入検討予定のノーブランド品が、

 

  • 商品にロゴが入っている
  • 商品名に固有名詞が入っている

 

といった特徴がある場合は、模造品の可能性があるので

「特許情報プラットフォーム J-PlatPat」で

商標権のある商品でないかを確認してください。

 

ちなみに、こうしたコピー品や模倣品などは従来、

”個人利用”に限り、税関でストップしても手続きをすれば

輸入することができました。

 

模倣品の個人使用目的の輸入

出典:日本経済新聞

 

しかし、2021年3月には商標法などの改正案が

閣議決定され、現在は個人輸入でもすべて

没収されてしまうのでご注意ください。

 

 

輸入規制品に該当している

 

輸入自体は認められていても、

事前に手続きや申請等が必要な

輸入規制品」があります。

 

輸入規制品の中でも特に注意すべきが

以下の3製品です。

 

  • 食品衛生法にひっかかる商品
  • ワシントン条約にひっかかる商品
  • 薬機法にひっかかる商品

 

 

食品衛生法にひっかかる商品

 

飲食による健康被害の発生を

防ぐための法律が「食品衛生法」です。

 

食品衛生法に該当する商品を輸入する際は、

検疫所に輸入届出を提出しなければいけません。

 

対象となるのは食品だけでなく、

食器やコップ、調理器具、さらには

乳幼児用のおもちゃなども該当します。

 

食品が口に触れる可能性がある商品は

すべて食品衛生法の対象になる」と

考えておいてください。

 

なお、乳幼児用のおもちゃは種類によっては、

厚生労働省への届出も必要な場合があります。

 

 

ワシントン条約にひっかかる商品

 

絶滅の恐れがある動植物の取引は、

過度な取引が起こらないよう「ワシントン条約

によって国際的に制限されています。

 

対象となるのは、生きてる動植物だけでなく、

はく製や皮革製品も含まれます。

 

たとえば、

 

  • クロコダイル革を使用したバッグ
  • ローズウッドを使用したギター
  • 孔雀の羽を使ったアクセサリー

 

などです。

 

ワシントン条約では輸入が完全に禁止されているもの、

制限されているものに分けられ、制限されているものを

輸入する場合は輸出国の輸出許可証等が必要になります。

 

 

薬機法にひっかかる商品

 

「薬機法(旧薬事法)」では、

 

  • 医薬品
  • 医薬部外品
  • 化粧品
  • 医療機器
  • 体外診断用医薬品又は再生医療等製品

 

といった製品の輸入に制限をかけています。

 

特に、日常的に使われている

美顔器やマッサージ用品なども

薬機法の対象になる場合があるので

注意しなければいけません。

 

薬機法の対象になってしまうと、

 

  • 医薬品等製造販売業許可証
  • 医薬品等製造販売承認書

 

といった書類の写し等が必要になります。

 

こうした書類は準備が非常に難しいので、

場合によっては商品すべてを破棄しなければ

いけなくなる可能性があります。

 

化粧品や健康・美容グッズを取り扱う場合は

特に注意してください。

 

 

インボイスに不備がある

 

商品を他国へ送るときに

必要なのが”インボイス”です。

 

商品を輸入する際はその国の税金が発生しますが、

税率は商品内容・数量等によって変わります。

 

この情報を記載しているのがインボイスで、

税関に申告する際に必要となります。

 

もしインボイスに記載されている内容と

内容物が一致しない場合は、不備があると

みなされて通関保留となります。

 

特に税金を安くするために商品価格を安く記載する、

数量を少なく申告する行為は「アンダーバリュー」という

不正取引に該当し、法律違反となってしまいます。

 

そのため、インボイスは輸出相手に

正確に記載してもらう必要があります。

 

 

通関保留中になってしまった場合に起きるリスク

通関保留中になってしまった場合に起きるリスク

 

通関保留中になると、以下のようなリスクが

起きる可能性があります。

 

  • 納期遅れが発生し、在庫切れや発送遅延につながる
  • 場合によっては、商品を破棄しなければいけなくなる
  • 関税法違反で罪に問われてしまう恐れもある

 

 

納期遅れが発生し、在庫切れや発送遅延につながる

 

購入した商品をAmazon等で販売する場合、

税関で止まってしまうと、通常より

納期に時間がかかってしまいます。

 

その結果、在庫が切れてしまい、売上減少、

売上ランキングの低下、検索順位の下落が起こります。

 

また、予約注文にしていた場合などは、

発送遅延になり、商品のキャンセルや

悪い評価がつけられてしまう

といったリスクもあります。

 

 

場合によっては、商品を破棄しなければいけなくなる

 

輸入禁止品や商標権を侵害している

コピー品を仕入れてしまった場合

すべて没収・破棄されてしまいます。

 

また、輸入自体はOKな商品でも

手続き等に不備がある場合は、

その後、適切な対処をしなければ

すべて返品されてしまいます。

 

コピー品の場合はいくら手続きをしても

どうにもなりませんが、そうでないなら

必ず期限内に手続きをするようにしてください。

 

 

関税法違反で罪に問われてしまう恐れもある

 

もし、違法な商品を税関に見つからないように

輸入しようとした場合は、関税法違反で

刑事事件に発展する恐れがあります。

 

こうした事態にならないためには、

まずは輸入してはいけないものを

事前に把握しておくこと。

 

そして、そうした輸入禁止品は

絶対仕入れないようにすること

重要です。

 

 

通関保留中になってしまった場合の対処方法(通関手続き)

通関保留中になってしまった場合の対処方法(通関手続き)

 

通関保留中になってしまったら、

以下の手順で対処していきます。

 

STEP1:税関に電話をする
STEP2:税関職員の指示に従い、手続きをする

 

 

STEP1:税関に電話をする

 

通関保留中になると、

 

  • 外国から到着した郵便物の税関手続のお知らせ
  • 認定手続開始通知書

 

といった書類が送られてきます。

 

外国から到着した郵便物の税関手続のお知らせ

 

外国から到着した郵便物の税関手続のお知らせ」には

通関保留の原因が書かれているので、それを確認した上で、

管轄の税関に問い合わせをしてください。

 

なお手続きの期限は、記載されている

日付の翌日から1ヵ月以内です。

 

これを過ぎると差出人に返送されてしまいます。

 

認定手続開始(輸入者等意思確認)通知書

 

認定手続開始通知書」が届いた場合は、

仕入れた商品が知的財産権を侵害している

コピー商品に該当する可能性が非常に高いです。

 

手続きをしても税関を通る可能性は低いですが、

もし手続きをする場合は通知を受けた日から

10日以内に書面を提出してください。

 

 

STEP2:税関職員の指示に従い、手続きをする

 

税関に問い合わせると、

今後の手続き方法を教えてくれます。

 

提出が必要な書類の種類や手続き内容は

通関保留理由によっても異なるので

メモをとっておいてください。

 

時期によっては、手続きをしても

通関許可がなかなか下りないこともあります。

 

なので、指示を受けたら、

なるべく早めに手続きを済ませましょう。

 

また、手続きが完了したら、通関許可が下りたか、

再び管轄の税関に問い合わせることも

忘れないでください。

 

 

まとめ

 

海外から輸入した商品が

通関保留中になってしまったら

 

  • 外国から到着した郵便物の税関手続のお知らせ
  • 認定手続開始通知書

 

といった書面が届くので、まずは

通関保留になってしまった原因を確認し、

管轄の税関に問い合わせてください。

 

「外国から到着した郵便物の税関手続のお知らせ」が届いた場合は、

記載された日付から1ヶ月以内に手続きをしましょう。

 

問題がなければ、通関許可が下ります。

 

なお、税関ではすべての商品を

完璧にチェックするのは不可能なため、

同じ商品でもストップする場合もあれば

問題なく通ってしまう場合もあります。

 

輸入の可否は税関で判断されますが、

最終的な責任は輸入者にあります。

 

もし輸入禁止品を販売すると違法になり

罪に問われてしまう場合もあるので、

仕入れの際は輸入禁止品に該当しないかを

必ずチェックしてください。