中国輸入Amazon販売の専門家 加藤さとしです。
Amazon販売を始める際に多くの人が迷うポイント、
それが「出品形態」です。
出品形態は「大口出品」と「小口出品」の2つです。
Amazon公式HPにそれぞれの違いが記載されていますが、
これまでAmazon販売の経験がない人にとっては
よくわからない点も多いのではないでしょうか?
そこで、この記事では「大口出品」と「小口出品」の違いを
わかりやすく解説すると同時に、あなたがどちらを
利用すべきか?についても見ていきます。
Amazonの大口出品と小口出品はどっちがいいの?
Amazonの出品形態選びについては、
毎月どれくらいの数量を売りたいのか?
本気でAmazon販売をしていきたいのか?
またはお試しで販売したいのか?
などによって違ってきます。
大口出品はこんな人におすすめ!
大口出品をおすすめするのは、
これから本格的にAmazon販売を始めたい人
です。
具体的には、
1カ月の販売数が50個を超える=日換算で1.6個以上販売する
中国や欧米など海外から輸入したノーブランド品を売る
OEM/ODM商品といった自分オリジナルの商品を売る
こういった人は「大口出品」の
利用をおすすめします。
大口出品は販売数の有無に関わらず
月額料金が4,900円かかります。
もしかしたら
「毎月4,900円も払うのは嫌だなぁ」と
思う人もいるかもしれません。
しかし、大口出品には売上拡大に必須の
様々な機能・サービスが含まれています。
詳細はこの後解説しますが、
Amazonで売上を上げていくには
「大口出品」を選ぶことが重要。
月額料金4,900円は必要経費!
と覚えておいてください。
小口出品はこんな人におすすめ!
じゃあ、小口出品はどんな人におすすめなの?
というと、敢えて言うなら・・・
1カ月の販売数が50個未満の人
お試しでAmazon販売をしてみたい人
です。
小口出品は月額料金制ではなく、
1つ商品が売れたら100円の
手数料がかかる方式です。
そのため費用面だけを見れば、
月間販売数が50個未満なら
月額4,900円の大口出品よりもお得
というわけです。
ただし、小口出品は利用できる機能が
限られている上にAmazonの仕様上、
非常に売れづらくなっています。
残念ながら、小口出品で毎月一定以上の
売上を継続して出せる人はいないので、
正直おすすめしません。
転売やせどり、中古品の販売だけをする
といった人も、今後売上を伸ばしていきたいなら
大口出品に登録することをおすすめします。
Amazonの大口出品と小口出品を11項目で徹底比較!
それではAmazonの大口出品と小口出品の違いを
見ていきたいと思います。
今回比較する項目をまとめたので、
まずは以下の表をご覧ください。
大口出品 | 小口出品 | |
(1)費用の違い | 月額4,900円 | 100円/1商品 |
(2)新規商品登録の可否 | ○ | × |
(3)決済方法の種類数 | 8種類 | 5種類 |
(4)配送料と配送日時の指定 | ○ | × |
(5)カートボックス獲得の可否 | ○ | × |
(6)FBA利用の可否 (重要) | ○ | × |
(7)Amazonスポンサープロダクト広告利用の可否 | ○ | × |
(8)各種ビジネスレポートの閲覧可否 | ○ | × |
(9)クーポン発行など各種プロモーション利用の可否 | ○ | × |
(10)出品できないカテゴリー・ブランド・商品の有無 | ○ | × |
(11)法人向け販売の可否 | ○ | × |
(1)費用の違い
Amazonで販売する際は、
大口出品、小口出品のいずれも
必ず手数料がかかります。
最低限かかる費用は次の通りです。
- 大口出品:月額4,900円+販売手数料
- 小口出品:1つの商品を販売するごとに100円+販売手数料
※実際には上記以外にも配送料やAmazonセラー向けの
サービスを利用した場合にかかる手数料など
色々な費用がかかります
先ほどもお伝えした通り、費用面だけで見ると
- 月間販売数が50個以上→「大口出品」がお得
- 月間販売数が50個未満→「小口出品」がお得
といえます。
ですが、出品形態は単純に費用だけを見て
決めればいいものではありません。
次から大口出品と小口出品で利用できる
機能・サービスについて見ていきます。
(2)新規商品登録の有無
新規商品の登録(カタログ登録)ができるのは
大口出品者のみとなっています。
「新規商品の登録」とは、たとえば中国から仕入れた
ノーブランド品や自社のオリジナル商品など、
Amazonに登録されていない商品を
販売する際に必要な作業です。
つまり「大口出品」はまだAmazonで
販売されていないものを売り出せる
というわけですね。
一方、「小口出品」は新規商品登録ができないため、
新しい商品を売り出すことはできません。
出来るのは、Amazonに既に
登録されている商品を販売する
- 転売・せどり
- メーカー卸販売
- 中古品販売
などです。
(3)決済方法の種類数
Amazonは複数の決済方法を用意しています。
ただし、購入者が利用できる決済方法は、
大口出品者が販売している商品と
小口出品者が販売している商品で
変わってきます。
小口出品の場合は
- クレジットカード
- スマホ決済
- 請求書払い
- Amazonギフト券
- Amazonショッピングカード
この5つに対応しています。
大口出品は上記に加えて
- コンビニ払い
- 代金引換
- Edy払い
を追加することができます。
決済方法を増やすメリットは
売上がアップすることです。
購入者の中には
クレジットカードを持ってないから
コンビニ払いや代金引換を選びたい
という人が一定数います。
大口出品であればこうしたユーザーの
要望にも応えることができます。
決済方法を増やしたからといって
すぐに売上が激増するわけではないですが、
長期的に見れば増えていくはずです。
(4)配送料と配送日時の指定
大口出品者は、配送料を3種類の方式から
個別に設定することができます。
- 重量課金制:配送1件毎の金額+重量1kgあたりの金額
- 商品個数制:配送1件毎の金額+商品1点毎の金額
- 購入金額制:購入金額に応じて変わる
各商品のサイズ・重量にあった送料や
値段に応じた送料など柔軟な設定が
可能になっています。
一方、小口出品者の場合はカテゴリー毎に
最初から決められています。
小口出品の配送料
カテゴリー | 配送先が日本国内の場合 |
本 | 262円 |
CD・レコード | 356円 |
ビデオ | 398円 |
DVD | 356円 |
PCソフト | 356円 |
TVゲーム | 356円 |
おもちゃ&ホビー | 524円 |
ベビー&マタニティ | 524円 |
上記以外のカテゴリー | 472円 + 53円/Kg |
また、大口出品の場合は購入者が
配送日時を指定できるのに対して、
小口出品の場合はできません。
配送料・配送日時指定の面で言えば
大口出品はセラー、購入者の双方に
メリットがある出品形態です。
(5)カートボックス獲得の可否
Amazonに既に登録されている
商品を販売する場合に重要なのが
「カートボックスの獲得」です。
カートボックスを獲得できるかどうかで
売上が大きく変わってきます。
「カートボックス」とは、
Amazonの商品ページ内にある
「カートに入れる」ボタンのことです。
Amazonで購入する人の多くは
上記のボタンを押して購入します。
複数のセラーが扱っている商品の場合、
カートボックスを獲得しているセラーの
商品から順番に売れていきます。
カートボックスの獲得条件は複数あるのですが、
大前提として「大口出品」でなければいけません。
小口出品者はそもそもカートボックスの獲得資格がないため、
上記の「カートに入れる」ボタンを押して買う
ユーザーからの売上は絶対に発生しないのです・・・
商品ページ内には上記のような
他の出品者を見れるボタンもあり、ここから
小口出品者の商品が売れる場合もあります。
しかし、ほとんどのユーザーは
そんなところまでわざわざ見ません。
小口出品者がいかに売上を上げるのが難しいか
お分かりいただけると思います。
(6)FBA利用の可否
Amazon販売をする上で最重要の機能
と言っても過言ではないのが「FBA」です。
FBA(フルフィルメントby Amazon)は、
注文受注管理から梱包・発送、カスタマー対応までの
すべてをAmazonに委託できるサービスです。
FBAの流れを簡単に紹介します。
①FBA利用者は最初にAmazonの倉庫へ
まとめて商品を送ります。
②そして、商品が売れるとAmazonのスタッフが
倉庫から商品をピッキングして
梱包・発送をしてくれます。
③さらに、購入者から「返品・返金したい」といった
要望があった場合などもAmazonが
代わりに処理してくれます。
FBAを利用できるのは
大口出品者のみです。
FBAは、これからAmazonで売上をガンガン
伸ばしていきたい方は利用必須です。
というのも、1日1、2個程度の発送なら
自分一人でもなんとかなるでしょう。
しかし、売上が拡大していくと
毎日何十個という商品を発送する
必要が出てきます。
それを自分一人でやっていたら
発送だけで日が暮れてしまいますよね。
当然、Amazon物販では発送作業だけでなく
- 在庫の補充
- 商品ページの改善
- Amazonスポンサープロダクト広告の運用
- プロモーションの実施
- 新規商品のリサーチ
など、やるべきことはたくさんあります。
こうした他の作業に時間を充てるため、
また自分の自由な時間を作るためには
梱包・発送作業といった面倒かつ
生産性0の作業はできるだけ
他の人に任せるべきです。
それを実現できるのが
「FBA」なのです。
大口出品は「FBAを利用できる」という
1点だけでも登録する価値は十分にあります。
(7)Amazonスポンサープロダクト広告の利用の可否
大口出品者はAmazonの
スポンサープロダクト広告を
利用できます。
Amazonには、
- スポンサープロダクト広告
- スポンサーブランド広告
- スポンサーディスプレイ広告
という3つの広告があります。
この中でも特に
簡単に早く売上を上げられるのが
スポンサープロダクト広告です。
スポンサープロダクト広告が
どういうものなのかというと・・・
たとえば、検索結果の一番上に出てる
「スポンサー」と付いた商品はすべて、
スポンサープロダクト広告を利用している商品です。
他にも、商品ページ内に
関連商品として出てくる
商品もそうですね。
このようにスポンサープロダクト広告は
ユーザーの目に届く位置に自分の商品を
掲載できるという絶大なメリットがあります。
多くの人に自分の商品を見てもらえるので、
その分売上がアップするわけです。
特に最近のAmazonで新規商品を販売する場合は、
もはやスポンサープロダクト広告なしで
売上を上げることは非常に難しくなっています。
Amazonというプラットフォームでは、
いかに検索結果上位に自分の商品を
表示できるかで売上が変わってきます。
検索結果の順位はAmazonの
アルゴリズム(AI)が決めており、
どういった要素が重要なのかは
明かされていません。
しかし、次の4点はほぼ確実に
順位に影響を与えると言われています。
- 直近の注文件数
- *ユニットセッション率とセッション数
- 商品ページに含まれている検索キーワード
- 購入者によるレビュー評価
*ユニットセッション率=成約率
商品ページを見た人の中で
実際に購入した人の割合
*セッション数=商品ページ閲覧回数
新規商品を販売開始した時点では
検索上位に表示されていないため、
商品ページへのアクセスはなく
注文件数、レビュー評価も0件です。
このままでは永久に売れません。
そこで、販売初期の段階で
スポンサープロダクト広告を使い
強制的に検索上位に表示させます。
そうすることで商品の露出度が上がって
注文件数やレビュー評価が増え、
検索結果の上位に表示されるようになる
=売上が増えていきます。
FBAに加えてスポンサープロダクト広告を
利用できるのは大口出品の大きなメリットです。
(8)各種ビジネスレポートの閲覧可否
Amazonは大口出品者向けに
ビジネスレポートを提供しています。
ビジネスレポートには、商品毎の
- 売上
- 販売数
- セッション数(商品ページの閲覧回数)
- ユニットセッション率(成約率)
といった細かな数値が記載されています。
Amazonでは商品を販売開始した後、
このレポートを見ながら問題点を見つけ、
商品ページの改善や広告運用などをします。
ビジネスレポートはAmazonの検索順位を
上げるためにもなくてはならないものです。
(9)クーポン発行など各種プロモーションの利用の可否
Amazon大口出品者は以下のような
プロモーションを利用できます。
- クーポンの発行
- タイムセールへの出品
- プロモーション割引
いずれも利用必須ではないものの、
商品の認知度アップや購買の促進に
大きく役立ちます。
(10)出品できないカテゴリー・ブランド・商品の有無
Amazonは商品の信頼性・安全性を確保するため、
一部のカテゴリ、ブランドに出品規制をかけています。
出品規制がかかった商品を販売するには、
事前に出品許可申請を出す、書類を提出して
審査を受けるなどの必要があります。
出品許可が必要なカテゴリー例
食品・飲料・お酒
出品許可が必要な商品例
- Made in Italyストアの商品
- Amazon限定商品の出品
- ストリーミングメディアプレーヤー
- 危険物に該当する商品(アルコールが入ったものやバッテリー類など)
出品許可が必要なカテゴリー・ブランドは
上記以外にもいろいろあり、アカウント毎で
異なる場合もあります。
なお、出品許可の申請ができるのは
大口出品者のみです。
小口出品者はそもそも申請できないため、
いざ商品を販売しようと思っても
規制がかかっていて販売できない
という事態になる恐れもあります。
(11)法人向け販売の可否
一般的にはあまり知られていませんが、
Amazonでは法人に販売する
「Amazonビジネス出品プログラム」があります。
このプログラムを利用できるのは
大口出品者のみです。
法人は一度に大量買いをすることがあるため、
一般ユーザーに販売するよりもまとまった売上を
上げられる可能性があります。
法人向けの商品を販売したい方は、
大口出品に登録した上で
同プログラムに申し込んでみてください。
Amazon小口出品から大口出品へ変更することはできる?
Amazon出品アカウントを作成した時点では
デフォルトで小口出品になっていますが、
セラーセントラルより変更が可能です。
小口出品から大口出品へ変更する方法
出品形態を変更するには、
Amazonセラーセントラルトップページより
「設定」→「出品用アカウント情報」を
クリックします。
「ご利用のサービス」の「サービスの管理」を
クリックします。
「Amazon出品サービス」の横のリンクより
小口出品から大口出品へ、またその逆も同様に
変更が可能です。
セラー登録の本人確認方法について
以前までは、本人確認書類を提出した段階で
Amazonの審査が入り、審査が下りれば
アカウントが発行されていました。
しかし、最近では新たにAmazon担当者との
Web(ビデオ)面談が追加されました。
Amazonは詐欺・不正行為の撲滅や
偽ブランド品の取締り等に力を入れており、
Web面談もその一環であると考えられます。
(大口・小口出品ともに行っているようです。)
なお、いまのところWeb面談をするのは全員ではなく
ランダムで抽出された人が対象となっています。
こちらの画面が表示されたら、
Web面談の実施場所を選択します。
ビデオ通話、出品者の自宅・オフィス等、Amazonオフィスの
3つの選択肢がありますが、基本的にはビデオ通話になります。
希望の面談日時も選択します。
面談は30分ほどで、主に登録情報や身分証明書、
本人の顔の確認などが行われます。非常に
簡単なものなので安心してください。
問題がなければ、その後登録したメールアドレスに
24時間以内にアカウント登録完了のメールが送られてきて
登録手続きは終了となります。
さらに住所確認の強化策として
登録の住所にはがき(あるいは封書)で
確認コードが送られてきます。
届きましたら、セラーセントラルにログインして
以下の部分に入力します。
送信するをクリックして完了です。
まとめ
今回はAmazonの大口出品と小口出品の違いについて、
11の項目別に比較しました。
大口出品 | 小口出品 | |
(1)費用の違い | 月額4,900円 | 100円/1商品 |
(2)新規商品登録の可否 | ○ | × |
(3)決済方法の種類数 | 8種類 | 5種類 |
(4)配送料と配送日時の指定 | ○ | × |
(5)カートボックス獲得の可否 | ○ | × |
(6)FBA利用の可否 (重要) | ○ | × |
(7)Amazonスポンサープロダクト広告利用の可否 | ○ | × |
(8)各種ビジネスレポートの閲覧可否 | ○ | × |
(9)クーポン発行など各種プロモーション利用の可否 | ○ | × |
(10)出品できないカテゴリー・ブランド・商品の有無 | ○ | × |
(11)法人向け販売の可否 | ○ | × |
大口出品は小口出品と比べて
利用できる機能・サービスが
非常に多いです。
また、大口出品者はAmazonからも優遇され、
売上を上げやすい仕様になっています。
家にある中古品を処分する程度なら
小口出品でも問題ありませんが・・・
本気でAmazon販売を始めたいなら
「大口出品」の一択です。
月額4,900円の固定費は発生しますが、
それ以上のメリットを享受できるので
ぜひ検討してみてください。