中国輸入Amazon販売の専門家 加藤さとしです。
AmazonOEM販売を始めたいけど、
ブランド名がなかなか思い付かない・・・
と悩んでいませんか?
世の中には様々なブランドがあり、
この付け方が100%正解!
というものはありません。
しかし、絶対付けてはいけないもの、
オススメできないものは存在します。
そういった名付けをしてしまうと、
ユーザーから認知されづらく売上につながらない、
最悪、損害賠償請求をされてしまうリスクなどもあります。
反対に、効果的なブランド名を付けることで
売上が跳ね上がるケースもあります。
当記事では、AmazonOEM販売で
ブランド名を付ける際の注意点と
具体的な付け方6パターンを紹介します。
ブランド名は一度決めると簡単に
変更できないので、当記事を参考に
じっくり考えてみてください。
AmazonOEM販売でブランド名が重要な理由
Amazonでオリジナル商品を販売する場合、
ブランド名を事前に決めておく必要があります。
手続的な意味合いもありますが、
ブランド名を付けることで以下のような
メリットを受けられます。
Amazonブランド登録ができる
認知度向上と売上UPにつなげられる
ブランド名はAmazonブランド登録時に必須
Amazonブランド登録は、
自分オリジナルのブランドを
Amazonに登録できるサービスです。
ブランド登録をしておけば、
万が一相乗り販売された場合も
Amazonへ通報することで排除してもらえます。
ライバルが真似できない
独自性の強い商品なら話は別ですが・・・
タグを付けただけ、刻印をしただけ
といったように簡易的な加工をした商品は、
同じく他のライバルから真似され
相乗り販売されてしまう恐れがあります。
これを避けるためにも、
Amazonでオリジナル商品を販売するなら
Amazonブランド登録は必須であり、そのためには
事前にブランド名を決めておく必要があります。
効果的なブランド名にすることで認知度向上と売上UPにつながる
”効果的なブランド名”を付けることで、
自社商品の認知度向上と売上UPに
つなげられる可能性があります。
たとえば、伊藤園は以前
「缶入り煎茶(煎茶)」という
商品を売っていました。
ネーミングそのままに「缶に入った煎茶」ですが、
消費者からは「煎茶の読み方がわからない」
とクレームが入ったそうです。
伊藤園としては、急須で入れた煎茶を
手軽に飲めるという意図で名付けたのですが、
消費者に覚えてもらえなければ
意味がないと感じたそうです。
そこでブランド名を、親しみやすく
頭に残るものに変えたところ、
売上が約6倍に跳ね上がったといいます。
その商品は・・・
今では伊藤園を代表する
ペットボトル飲料になった
「お~いお茶」です。
このように商品内容は同じでも、
ブランド名を変えただけで売上が
大きく伸びた例はいくつも存在します。
(例)
- フレッシュライフ→通勤快足(紳士用靴下)
- ネピア モイスチャーティシュ→鼻セレブ(保湿ティッシュ)
- WEST→BOSS(缶コーヒー)
- カップカレーライス→カレーメシ(インスタントカレー)
AmazonOEM販売のブランド名を付ける時の注意点3つ
ブランド名を付ける際は
以下の3点に注意してください。
商標登録されていないか?
ありふれた単語や名称を使っていないか?
覚えやすいか?
商標登録されていないか?
最初に確認しなければいけないのが
「商標登録の有無」です。
どれだけ素晴らしいブランド名でも、
すでに他社が登録しているものは
基本的に使えません。
無断で他社のブランド名を使用した場合、
商標権の侵害として損害賠償請求をされる
恐れがあります。
商標関連で有名な話は
Appleのスマートフォン
「iPhone」です。
実はiPhoneが日本で発売されるよりも前に、
日本の電機メーカーであるアイホン株式会社が
「iPhone」というブランド名で商標登録しています。
そのため、Appleは本来同じブランド名である
「iPhone」は使えないのですが、特別に
年間1億円のライセンス料を払って
使用していると言われています。
商標権はこれほど強力な権利なので、
わたしたちがブランド名を決める際も
必ず商標登録の有無を確認する必要があります。
商標登録の有無を調べる際は、
特許情報プラットフォーム
「J-Plat pat」を使います。
検索窓に調べたいブランド名を入力して
「検索」を押します。
検索結果一覧が表示されます。
「商標」をクリックすると、
商標登録の有無を確認できます。
該当のブランド名がすでに登録されている場合は、
他のものを検討しましょう。
また、ここに掲載されていない場合でも、
- Amazonや楽天市場などの複数モール
- TwitterやInstagram等のSNS
で、それぞれ検索をかけてください。
「J-Plat pat」で調べた時点では
現在申請中で商標登録が完了していない
可能性もなきにしもあらずだからです。
商標登録の有無に関しては、
これくらいシビアな姿勢で
調べていきましょう。
ありふれた単語や名称を使っていないか?
ありふれた単語や名称を使ったブランド名は、
商標登録されてなくても、出願時点で
審査に落とされてしまいます。
特許庁は「出願しても登録にならない商標」を
3点掲載しています。
- 自己と他人の商品・役務(サービス)とを区別することができないもの
- 公共の機関の標章と紛らわしい等公益性に反するもの
- 他人の登録商標や周知・著名商標等と紛らわしいもの
この中の
1.自己と他人の商品・役務(サービス)とを区別することができないもの
において、以下のような商標は登録できないとしています。
①普通名称のみを表示する商標
普通名称とは・・・
取引業界において、その商品または役務の
一般的名称であると認識されるに至っているもの。
略称や俗称も含む。
(例)
指定商品「アルミニウム」に使用する商標として
「アルミニウム」または「アルミ」を出願した場合。
②慣用されている商標
慣用されている商標とは・・・
同業者間で日常的に使用されているもの。
(例)
指定商品「清酒」に使用する商標として
「正宗」を出願した場合。
③産地、販売地、品質、提供場所、質等のみを表示する商標
(例)
商品の産地、販売地
指定商品「菓子」に使用する商標として
「東京」を出願した場合。
商品の品質
指定商品「シャツ」に使用する商標として
「特別仕立」を出願した場合。
役務の提供場所
指定役務「飲食物の提供」に使用する商標として
「東京銀座」を出願した場合。
役務の質
指定役務「医業」に使用する商標として
「外科」を出願した場合。
④ありふれた氏または名称のみを表示する商標
「ありふれた氏又は名称」とは・・・
電話帳において同種のものが多数存在するもの。
(例)山田、スズキ、WATANABE、田中屋、佐藤商店
⑤極めて簡単で、かつありふれた商標
「極めて簡単で、かつありふれた商標」とは・・・
- 仮名文字の1字
- 数字
- ありふれた輪郭(○、△、□等)
- ローマ字(AからZ)の1字または2字
覚えやすいか?
1回聞いただけで覚えられるような
ブランド名の方が認知度が上がりやすいです。
心理学で「ミラーの法則」というものがあり、
人間が瞬時に覚えられる情報の数は
「7±2」といわれています。
有名ブランドをみてみると、
だいたいは5文字前後、多くても
10文字には収まっていることがわかります。
- Google(グーグル)
- Apple(アップル)
- Microsoft(マイクロソフト)
- SONY(ソニー)
- SHARP(シャープ)
ちなみに、、
ロシアのウクライナ侵攻によって
マクドナルドはロシアから事業撤退をしましたが、
その事業を引き継ぐ形で新たに生まれたブランドは
「フクースナ・イ・トーチカ」だそうです。
ロシア語で「おいしい。それだけ」なのですが、
わたしたち日本人からすれば
かなり覚えづらいですよね。
短いブランド名は他社と被りやすく
なかなか考えるのが難しいですが、
この後紹介する方法で
あなたのイメージに合った
ブランド名を考えてみてください。
Amazonで売れるブランド名にするには?おすすめの付け方6パターンを紹介
ブランド名の付け方
6パターンを紹介します。
①複数の単語をつなげる方法
②複数の単語を部分的に組み合わせる方法
③アルファベット表記にする方法
④擬人法を使う方法
⑤オノマトペを使う方法
⑥ダジャレを使う方法
①複数の単語をつなげる方法
2つ以上の単語をつなげる方法です。
商品に関連した複数の単語をつなげて、
新たな単語を作ってブランド名にします。
(例)
・face+book=facebook
・my(私の)+Pet(お気に入り)=マイペット(住居用洗剤)
②複数の単語を部分的に組み合わせる方法
2つ以上の単語の語頭・語尾を切り取り、
組み合わせる方法です。
この方法で作る場合、
本来の意味がわかるように
単語を切り取りすぎないことが重要です。
(例)
・自然の恵み+ミルク=メグミルク
・爽やかに+健やかに+美しく+お茶=爽健美茶
③アルファベット表記にする方法
日本語をあえてアルファベットで
表記する方法です。
(例)
・不動産情報サイトの「スーモ(SUUMO)」
(住もう→SUUMO)
・日用品や医薬品を扱う「Kracie(クラシエ)」
(快適な楽しい「暮らしへ」からKuracieに)
④擬人法を使う方法
擬人法は、商品やサービスを
人間に見立てて表現する方法です。
人間に見立てることで、商品に
親近感を湧かすことができます。
(例)
・お米の「あきたこまち」
・ご飯がススム君シリーズ
⑤オノマトペを使う方法
オノマトペとは、自然界の音・声、
物事の状態や動きなどを音(おん)で
象徴的に表した語です。
- 雨が降る音の「ザーザー」
- 風が吹く時の「ヒューヒュー」
- 犬が鳴く時の「わんわん」
などです。
オノマトペは触覚の記憶に影響を与える
という研究結果が出ているので、
知覚に訴えかけるような商品と
相性がいいネーミング法です。
(例)
・アイスの「ガリガリ君」
・小林製薬の「熱さまひんやりやわらかアイス枕」
⑥ダジャレを使う方法
似たような音を持つ言葉をかけあわせて、
ブランド名を作る方法です。
この方法で名付けたブランド名は
強い印象を持たせることができます。
(例)
・ASKUL(アスクル)=注文した商品が明日来る
・ムシューダ=無臭だ
思い付かない場合は、クラウドワークスで募集する手も
どうしてもブランド名が思いつかない、
良いアイディアが欲しい・・・。
そういった方はランサーズやクラウドワークス、
ココナラといったクラウドソーシングサイトで
案を募集してみても良いでしょう。
ランサーズをみてみると、
だいたい15,000円くらいの相場で
ネーミング・名前募集が
できることがわかります。
まとめ
ブランド名を決める際は、
商標登録されていないか?
ありふれた単語や名称を使っていないか?
覚えやすいか?
まずこの3点を必ずチェックしてください。
特に商標登録の有無に関しては
最重要事項です。
特許情報プラットフォーム「J-Plat pat」を
使えば簡単に調べられますが、心配な場合は
特許事務所等が提供している
先行商標調査サービスを利用してもいいでしょう。
ブランド名は覚えやすく、
商品を連想できるようなものに
するのがベストです。
できれば複数の案を出して、
家族や知人などに意見を聞いたり
クラウドソーシングサイトで
アンケートを取ったりして
最終的に一つに絞ることをおすすめします。