海外から商品を仕入れて販売し
利益を得るまでには様々な手数料がかかり
そのため利益の計算が煩雑になりがちです。
特に中国輸入においては、
仕入れのために代行業者をはさむため
さらにわかりづらくなります。
しかし、経費や手数料をしっかりと
把握しなければ、利益が出ているのかも
わからず、ビジネスにはなりません。
中国輸入において必要な経費は
以下の通りです。
1.仕入れ額:商品原価
2.為替手数料:日本円から中国元に両替する際の手数料
3.代行手数料:代行業者に支払う手数料
4.関税・消費税:商品が日本に到着した際に支払う税金
※関税5%、消費税8%(消費税6.3%地方消費税1.7%)
5.中国国内送料:中国のショップから代行業者までの送料
6.国際送料:代行業者から日本までの送料
上記の中で4の関税・消費税はあなたが直接、
商品の輸送業者に支払います。
4以外は、すべて代行業者に支払います。
ここでは、
2.為替手数料
5.中国国内送料
6.国際送料
について解説します。
さらに、上記1-6の具体的な計算を示し、
利益の計算方法を解説します。
なお、関税・消費税の計算方法については
以下の記事をお読みください。
中国輸入の関税と消費税の計算で失敗しないための7つのポイント
為替と為替手数料の基礎知識と計算方法
以下は中国のサイト
アリババの商品画面の一部(価格表示)です。
同じ¥のマークなので日本円と勘違いする人もいますが、
これは中国元のことです。
このままでは日本円ではいくらなのかが
わかりませんので、日本円に換算する必要があります。
また、中国元と日本円の換算レートは
常に変動していますので、
最新のレートを知ることが重要です。
たとえば、以下のようなサイトが
参考になります。
以下のように計算結果が表示されます。
もちろん、中国元も計算することができます。
代行業者に支払うのは日本円?
日本円での価格がわかったところで、
よくある質問なのですが、
『支払いは日本円でできるのか?』
という点にお答えします。
中国のサイト、アリババやタオバオからの仕入れ
の場合は代行業者が必須と考えてください。
そのため、商品代金などの支払いは
アリババなどのショップに支払うのではなく、
代行業者に支払います。
その際、代行業者への支払いは
日本円で支払います。
中国元への両替は代行業者が行ってくれます。
しかし、その際、通常は手数料を支払います。
※為替手数料を取らない代行業者もあります。
多くの輸入代行業者は
「為替レート+為替手数料1円」
「為替レート+為替手数料0.5円」
などと設定していますので必ず確認して下さい。
為替手数料を含んだ計算方法は、
商品代金×{(相場の数値)+(指定の金額)}
となります。
例えば 商品代金30元の場合、1元=17円 だとして
30×17=510円
A社の為替手数料が「+1円」なら
30×(17+1)=540円
がA社での商品代金となります。
なお、支払いをPaypal・クレジットカードで行う場合
業者によっては別途、手数料が加算されます。
(大体、3.6%〜3.8%です)
こちらも必ず確認しましょう。
また、クレジットカードによっては、
購入日の為替レートではなく、
カード会社に請求が届いた日の為替レートで
計算されることがあります。
運賃の基礎知識と計算方法について
国際貿易における輸送運賃は、
Tariff Rate(タリフレート)
と呼ばれる運賃表に則って決定されます。
荷物には「小さくても重い貨物」
「軽いけれど大きな貨物」など
様々な形状の貨物があります。
輸送機関(トラック、鉄道、船、飛行機など)には
容積・重量に制限があるため、
もし実重量だけで料金を設定してしまうと
様々な問題点が出てきてしまいます。
そこで容積を重量に換算したフェアな基準が
『容積(体積)重量』 なのです。
輸送運賃は、実重量とこの体積重量を比較し、
どちらか大きい方が最終的な重量と見なされ、
料金が請求されます。
※この最終的な重量を「Chageable Weight」
といいます。
国際輸送における輸送手段のメインとされる
船舶・航空では、それぞれChageable Weightの
換算方法が異なります。
【船舶輸送の場合】
縦(m)×横(m)×高さ(m)
を 実重量(トン)と比較
【航空輸送の場合】 (ほとんどの場合こちら)
縦(cm)×横(cm)×高さ(cm)÷係数 5000
を 実重量(kg)と比較
各面の一番長い部分がその面での長さ
として採用されるので、無駄な出っ張りが
出ていると思いもかけぬ料金になってしまう
ことがあるので注意が必要です。
例として、中国の郵便の場合、
「梱包後」の1辺の長さが60cmを超える場合
体積重量での計算となります。
(空港便EMSに適用/60cm以内は実重量での計算)
例えば実重量が10kgであっても
70(cm)×50(cm)×34(cm)÷係数 6000=19.83
となり体積重量 は20kgとして計算されます。
係数が変わると体積重量も変わります。
70(cm)×50(cm)×34(cm)÷係数 5000=23.8
となり体積重量は24kgとして計算されます。
※係数について
6000・・・中国、日本の会社が多く採用(最近は少ない)
5000・・・DHL・UPSなど欧米の外資系が多く採用
となっていることが多いようです。
基本:「たとえ軽くても、外箱の三辺のうち
どれかが長い商品は仕入れをしない」
自分が小さいと思っていた商品でも、
意外と大きな場合もあるので、
大きさの判定には十分注意しましょう。
さらに、長い、大きい商品の場合は、
国際配送時だけでなくアマゾンで販売する際にも
高めの経費が取られます。
参考 容積重量自動計算ツール
容積重量計算ツールの使い方
奥行き、幅、高さを入力し、
計算するをクリック。
実重量と体積重量を比べて数値の大きい方が
最終重量となります。
体積重量 計算事例
アマゾンFBA納品の際に使用できる輸送箱のサイズは
最大で50cm ×60cm ×50cmですが、
その場合の体積重量は30kgとなります。
商品個々のサイズではなく、輸送箱のサイズを元に
計算されるのがポイントです。
事例1 軽くて大きな商品の場合
ランドセルのように空洞がある商品の場合ですが、
6個で6kg=1個1kgなのに、体積重量19Kgとなり
1個当たり3.2kg計算になります。
実際は外箱に入れられていることも多いので、
商品実寸より一つ一つのサイズは大きくなります。
事例2 小さくて軽い商品の場合
アクセサリーなどの小さくて軽い物の場合も
意外なことに体積重量が適用されます。
外函などがあり、軽くても体積重量が
適用されることが多いです。
事例3 衣類の場合
洋服だとたたまれて袋に入った状態で
B4相当の大きさです。(25.7×36.4cm)
厚さが1cmだと52×37×30cmの箱に
60枚入る計算となります。
一つの重さが1枚400gであれば
この場合は24kgで実重量計算となります。
事例4 小さくて重い商品の場合
小さくても重いものはもちろん実重量が適用されます。
この商品はイミテーションですが
サイズ:約16.5×7.5×4.5cm 重さ:871g
あります。
幅60cmの箱だと8個並べられます。
3段重ねると24個入る計算になります。
体積重量では3kgですが、
実重量21kgで計算されます。
ここで注視すべきは
体積重量が適用されるかどうかではありません。
「日本に届くまでの配送経費が
利益を得るために妥当かどうか?」
という点が重要となります。
先ほど話した通り、どうしても
体積重量がほぼ適用されるのが実情です。
なので、結果的に配送経費がいくらかかったのか
について毎回把握して、
売値に対してどのくらいの割合なのか?
について確認しておくのが重要となります。
問題は「利益が出ているかどうか」です。
具体的には、国内送料、国際送料、手数料の合計経費が
売値の大体35%以上だと
結果的に利益は出にくいということです。
中国国内送料の調べ方
中国のショップや工場から
代行業者の所在地(あるいは倉庫)まで
中国国内送料が必要です。
これも忘れてはいけない大事な経費となります。
国内送料の確認方法を説明します。
国内送料を調べるには 「物流」と書かれている列の
「请选择」横の∨をクリックすると地域の一覧が出ます。
ここでは代行会社が多く存在している
浙江省義烏市(イーウー)を例にします。
「浙江」をクリックすると
さらに地域選択できます。
「義烏」は選択肢にないので、
義烏が所在している都市である、
「金华」を選択します。
国内送料は1個の場合、7元です。
この商品の1個の重さは0.4kgです。
2つまでの国内送料は7元でしたが、
3個では総重量が1.2kgに
なりますので12元に変わります。
重さによって国内送料は変わります。
単純に5個なので送料が5倍となるわけではありません。
この商品の1個の重さは0.03kgです。
1個の重さが軽いので25個でも
国内送料は1kg未満ですので最初の設定のままです。
ショップによっても変わりますが、1kgを超えると
500gごとに加算されることが多くなります。
発送の際の箱の重さ等も加算されますので、
商品自体の重さだけの計算とはなりません。
货运はボリュームが大きい商品の場合、
貨物便にかかる金額です。
国内送料は確実にかかる経費です。
リサーチの段階からしっかり把握しておきましょう。
利益の計算方法
販売価格から仕入れ代金と手数料(諸経費)
を引いた額が利益となります。
{販売価格}-{仕入れ代金}+{手数料(諸経費)}=利益
諸経費をいかに低く抑えるかによって
利益額は大きく変わります。
タオバオやアリババから仕入れる場合の計算方法
タオバオやアリババから仕入れる場合、
代行業者を利用するため、
手数料の計算が複雑です。
計算式は以下のようになります。
{アマゾンでの商品販売価格}-{諸経費( ①仕入額+②為替手数料+③代行手数料+ ④関税・消費税+⑤中国国内配送料+ ⑥国際送料+⑦Amazon販売手数料+ ⑧FBA費用)}=利益
それぞれの詳細とおおよその目安
※為替相場の変動や、代行業者によって数値は異なります。
①仕入れ額:商品原価(中国元)×17円
②為替手数料:商品原価(中国元)×1円
③代行手数料:商品原価(日本円)の7%で計算
※代行業者によって異なります。
④関税・消費税:商品原価(日本円)の13%で計算
※関税5%、消費税8%(消費税6.3%地方消費税1.7%)
⑤中国国内送料:商品原価(日本円)の12%で計算
⑥国際送料:重さ(kg)×780円
※送料を1Kg=780円で計算していますが、
あくまでも一例です。(通常はもう少し
安くなる場合が多いです。)
⑦Amazon販売手数料:FBA料金シミュレーターで自動計算
⑧FBA費用:FBA料金シミュレーターで自動計算
以下の商品がタオバオでは
44.00元/約880円で販売されていました。
この商品の利益を計算してみましょう。
{アマゾンでの商品販売価格}-{諸経費( ①仕入額+②為替手数料+③代行手数料+④関税・消費税+⑤中国国内配送料+⑥国際送料+⑦Amazon販売手数料+⑧FBA費用)}=利益
{3,380円}-{2,304円( ①880円+②44円+③62円+④114円+⑤106円+⑥234円+⑦507円+⑧357円)}=1076円
ということで
利益は 1,076円 となります。
まとめ
中国からの仕入れの場合、
代行業者をはさんで輸入をするため
どうしても計算が複雑になります。
このように文章で説明をすると
かえって難しく思われるかもしれませんが、
計算に慣れれば、難しくはありません。
なお、アマテラスだと以下のように
商品原価を入力するだけで
瞬時に利益計算をすることができます。
詳しくは、
以下のページをご覧ください。