中国輸入Amazon販売の専門家 加藤さとしです。
2022年も引き続き
急激な円安が続いています。
これはコロナ禍で金融緩和をしていたアメリカ等が
インフレを抑えるため金融引き締めに方向転換したことで、
日本との金利差がどんどん開いていっているからです。
海外の物価高はいまだに収まる気配がなく、
引き締めは継続されていくと見られます。
つまり、当分の間は円安傾向が続く・・・
と考えておかなければいけません。
海外から仕入れて日本のAmazonで
販売するAmazon輸入物販は、
この円安の影響をモロに受けます。
たとえば、2022年始めのドル円レートは
1ドル110円前後でした。
それが2022年10月時点では、
約150円まで急上昇しています。
2022年時点の始めに10,000円で仕入れてた商品は、
2022年10月現在では13,500円を払わないと
仕入れられない計算です。
仕入れ価格が高騰しているため、以前と同じやり方で
輸入物販ビジネスを続けていると、利益が出るどころか
売れば売るほど赤字になってしまう恐れもあります。
この記事を読んでいるあなたは、
これから輸入物販に挑戦したいけど、
円安の影響で儲けられるか不安
または
すでに物販ビジネスをしているけど、
円安で利益率が落ちていてこの先不安
そんな方かもしれません。
果たして、円安の状況下でも
Amazon輸入物販ビジネスを始めてもいいのか?
また、もしやるならどんな手法がいいのか?
利益を出すための重要ポイント6つと
併せて紹介していきます。
Amazon輸入物販が円安でも儲けられる理由
結論からいうと、2022年10月現在でも
円安は引き続き進行していますが、
Amazon輸入物販で利益を出すことは可能です。
その理由は以下の通り。
- ライバルが以前よりも減っているから
- 利益率の高い手法があるから
- Amazonで新規出品者向けのキャンペーンが開始したから
ライバルが以前よりも減っているから
少し前までは右肩上がりで増加していた
Amazoセラーも最近は減少傾向にあります。
これは冒頭で説明した通り、円安で仕入れ価格が上がり、
以前よりも利益が出づらくなっているからです。
中国元の価格は、2022年初頭が約18円/元だったのに対し、
2022年10月時点では約21円/元と約17%上昇しています。
米ドルに関しては、約110円/ドルから
約150円/ドルと約35%もの上昇です。
このように円安は輸入ビジネスにとって
間違いなくネガティブ要因です。
しかし、利益が全く出ないのか?
と言われれば、そんなことはありません。
確かに仕入れ価格自体は上がっていますが、
この後紹介する方法で減益分を
カバーすることは可能です。
実際、円安の影響でライバルが脱落していく中でも、
利益を出し続けている人は存在します。
また、逆にライバルが減ることで市場に穴ができ、
新たなビジネスチャンスが訪れることもあります。
利益率の高い手法があるから
Amazon輸入ビジネスには様々な手法があります。
その中でも利益率が高い手法で勝負すれば、
現在の円安でも利益を出すことは可能です。
しかし、たとえば海外から仕入れた商品を
そのまま国内Amazonで転売する。
こういった単純転売は元々利益率が低く
仕入れコストの調整等も難しいため、
円安の状況下では仕入れれば仕入れるほど
赤字になる恐れもあります。
これからAmazon輸入ビジネスに挑戦したい方は、
出来るだけ利益率が高い手法を選びましょう。
すでに実践している方で
利益が出なくなっている方は、
これまでの手法を見直すべきです。
手法等については後ほど紹介します。
Amazonで新規出品者向けのキャンペーンが開始したから
Amazonは2022年3月から
「新規出品者特典プログラム」という
キャンペーンを実施しています。
キャンペーン対象者は、2022年1月以降に
Amazonで初めて販売を開始した大口出品者です。
複数の特典が用意されているので、
うまく活用すれば円安での減益分を
ある程度カバーすることはできます。
フルフィルメント by Amazon(FBA)利用者限定の特典
Amazonが提供する、販売委託サービスの
「フルフィルメント by Amazon(FBA)」を
初めて利用する人は以下の特典を受け取れます。
在庫保管手数料、在庫の返送/所有権の放棄手数料、購入者返品手数料が無料になる
FBAパートナーキャリアサービスを使用して納品すると、納品配送料11,000円が割引される
スポンサープロダクト広告の利用で5,500円分のクレジットが提供される(※2023年3月1日までに最初の出品をする必要あり)
Amazonブランド登録をした人限定の特典
FBA利用者がAmazonブランド登録をすれば、
さらに以下の特典を受け取れます。
売上の5%分がボーナスとして提供される(権利確定から1年間、最大550万円分まで)
Amazon Vine(レビュー獲得プログラム)で利用できる22,000円分のクレジットが提供される
Transparencyの11,000円分のクレジットが提供される(*Transparency=個別に商品を特定し、偽造品が購入者の手に渡ることを事前に防止する商品のシリアル化サービス)
Amazonブランド登録は、Amazonに
自社ブランドを登録できるサービスです。
ブランド登録をすることで、
- 相乗りを排除できる
- 他のセラーが商品カタログを書き換えられなくなる
- スポンサーブランド広告やスポンサーディスプレイ広告を利用できるようになる
- Amazonストアを出店できる
- Amazonブランド分析ができる
- JANコードなしでも出品が可能になる
といった様々なメリットを受けられます。
登録は無料ですが、事前に商標権を取得したり
ブランド登録の申請手続き等が必要です。
OEM/ODM販売をしている方で
売上がある程度軌道に乗ってきたら
検討してみることをおすすめします。
特に、キャンペーン特典の
「売上の5%分がボーナスとして提供される」は
かなり大きなメリットです。
何もしなくても利益率が5%UPするわけですから、
円安という逆風の中では、ぜひ利用していただきたい特典です。
Amazonクーポンを利用する人限定の特典
「Amazonクーポンサービス」を利用する人には、
5,500円分のクレジットが提供されます。
クーポンを発行すると注目が集まり
売れる可能性は高くなります。
その一方で、実質値下げと同じため
利益率は下がってしまいます。
しかし本特典を利用すれば、5,500円分までの値下げなら、
利益率を落とさずに販売数を伸ばしていけます。
円安の中でもAmazon輸入物販で利益を上げるポイント6つ
為替レートという外部環境は
私たちの力ではどうしようもできません。
しかし、その他の点については
ある程度コントロールして、
利益率を調整することが可能です。
その方法は次の通りです。
①販売価格を上げる
②仕入れ値を下げられないか交渉する
③仕入れルートを変更する
④輸送方法を変更する
⑤利益率の高い手法で勝負する
⑥補助金・助成金制度を利用する
①販売価格を上げる
販売価格を上げるのが、手っ取り早く
利益率を上げられる方法です。
相乗り販売(単純転売)では価格を上げると
カートが取れなくなってしまいますが、
OEM/ODM販売のような、あなただけが
扱っている商品なら問題ありません。
価格を上げたら売れなくなるんじゃない?
と心配に思う人もいるかもしれません。
確かに、元価格の2倍など
極端な値上げをすると
売れなくなるでしょう。
しかし多少の値上げなら、インフレが加速している
今ならユーザーもある程度は許容します。
たとえば、あなたがすごく欲しかった商品(元値2,000円)が、
2,500円に値上げされていたら、もう絶対買わない!
と思うでしょうか?
もちろん、その人の経済状態、
金銭感覚等によっても変わるでしょう。
ただ、よほど欲しい商品なら
多くの人は500円程度の値上げなら
買ってくれるはずです。
また、新しくあなたの商品を発見した人は
わざわざ最初の価格を調べる人もあまりいないので、
そのまま購入してくれる可能性が高いです。
2,000円を2,500円に値上げすれば、
それだけで25%利益率がアップします。
また、円安の影響を受けているのは
ライバルも一緒なので、同じように
値上げをしていると思います。
なので、多少の値上げについては
問題ありません。
②仕入れ単価を下げられないか交渉する
仕入れ単価を下げられないか、
仕入れ先と交渉してみましょう。
ただし、単純に値下げして!
というのはNG。
相手もビジネスでやっているので、
自分達だけが損をするような提案は
即断られます。
交渉の際は、相手にメリットがあることを
掲示しなければいけません。
たとえば、
- 1回あたりの発注ロットを増やす
- 仕入れ頻度を増やす
といったことを掲示すれば、
値下げに応じてもらえる可能性があります。
③仕入れ店舗を変更する
海外では全く同じ商品を複数の店が扱っていて、
さらに値段が全然違うことも珍しくありません。
もし既存の仕入れ先で単価交渉が難しいようであれば、
同じような品質で安く手に入る店舗を探して、
そちらに乗り換える。
もしくは既存の仕入れ先と
並行するような形で仕入れれば、
実質的に単価を下げることが可能です。
④配送方法を変更する
海外から日本国内に商品を配送する際、
航空便を使っている方は船便に変えることで
国際送料を抑えることができます。
船便は、
- FCL(コンテナ輸送)
- LCL(混載輸送)
この2種類があります。
FCL(コンテナ輸送)はコンテナを
借り切って配送する方法で、
大量の商品を仕入れる場合に向いています。
LCL(混載輸送)は1つのコンテナを
他の人とシェアして配送する方法で、
少量の商品を仕入れる場合に向いています。
いずれも、送料は航空便と比べて
大幅に安くなります。
ただし、船便は
- 配送日数が伸びるため、仕入れタイミングの調整が必要
- 荷物量が少ないと逆に割高になる恐れがある
- LCL(混載輸送)は商品破損リスクが高くなる
といったデメリットもあるので
利用の際は注意してください。
⑤利益率の高い手法で勝負する
円高の時と円安の今では、
当然戦い方を変える必要があります。
たとえば、輸入品の単純転売。
この手法だと利益率は10%から、良くても20%。
この程度の利益率だと、円安下では
仕入れ値が上がっているため、
利益を出すのは以前より難しいです。
一方、OEM/ODM販売、海外メーカー直仕入れ、
国内独占販売権を取得した上での輸入販売。
こういった手法なら利益率は
40%〜50%程度まで上げられるので、
円安で仕入れ値が上がっても
利益を確保できます。
ただし、どれだけ利益率の高い手法でも、
結局は”扱う商品”によって
売上が大きく変わります。
強いライバルが多い市場に新規参入し、
売ろうとしてもまず歯が立ちません。
また、逆にライバルはいないけど、
その商品を買ってくれるお客さんもいない市場に
参入しても売上は上がりません。
円高・円安のいずれの状況でも、
物販ビジネスの肝である”リサーチ”には
とにかく力を入れてください。
⑥補助金制度を利用する
Amazon輸入物販ビジネスで利用できる、
様々な補助金制度があります。
こうした補助金は基本的に
返還不要なので非常にお得です。
事業計画書などの書類を準備した上で
審査に通過しなければいけませんが、
軍資金があまりない人は
チャレンジしてもいいでしょう。
Amazon輸入物販で利用できる補助金制度例①小規模事業者 持続化補助金
小規模事業者 持続化補助金は、
販路開拓や業務の効率化で必要な
経費の一部を補助してもらえる制度です。
事業者が経営計画書を作成して申請できる
「通常枠」では50万円を上限に、
対象費用の3分の2が補助されます。
補助対象の区分
機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、設備処分費、委託・外注費
Amazon輸入物販で利用できる補助金制度例②IT導入補助金
IT導入補助金は、ITツールを導入する際に
利用できる補助金制度です。
補助金を受け取るには、同制度の支援事業者に
登録されている業者のサービスを利用し、
条件を満たす必要があります。
IT導入補助金は複数の制度に分かれていますが、
たとえば「デジタル化基盤導入類型」は、
最大350万円を上限に対象費用の
最大4分の3が補助されます。
さらに、セットでPC、タブレット、
プリンター、スキャナーを購入する際は
最大10万円を上限に2分の1が補助されます。
補助対象の区分
ソフトウェア購入費・クラウド利用費(最大2年分)・導入関連費
Shopifyで独自ECサイトを構築したい場合や
Amazon輸入物販関連のツールを利用したい場合などに
活用すれば負担費用を大きく減らせるでしょう。
まとめ
今回の記事で紹介した通り、
利益率が高い手法を採用した上で
- 販売価格を上げる
- 仕入れ値を下げられないか交渉する
- 仕入れルートを変更する
- 輸送方法を変更する
- 利益率の高い手法で勝負する
- 補助金・助成金制度を利用する
こうした基礎的なことを一つ一つ実践すれば
円安の中でもAmazon輸入物販で
利益を上げることはできます。
ただし、1点覚えておいていただきたいのは、
Amazon輸入物販は数あるビジネスの中の
一つに過ぎないということです。
Amazon輸入物販のみに固執して、
無理に稼ごうとする必要はないのです。
今後円安がさらに加速し、
1ドル200円・・・なんてことも
100%ないとは言い切れません。
そんなとき、あなたはどうしますか?
ビジネスで売上を上げるためには
稼げる市場に参入し、時流に乗った手法を
取ることが重要です。
利益が出る手法や商品を持っているなら、
ライバルが続々と撤退していく中でも
Amazon輸入物販を続けてもいいでしょう。
反対に、利益がどうしても出せなくなったら・・・
別のビジネスに切り替えることも
視野に入れておくべきです。
ただし、利益が出せなくなり、
軍資金もなくなった”詰みの状態”で
撤退を考えるのは遅すぎです。
別のビジネスに切り替えるにしても、
軌道に乗せられるまではそれなりに時間がかかるので、
撤退をするなら早めに判断しなければいけません。
そのためには、自分の中である程度
撤退タイミングを考えておき、
常に世界の情勢も確認しておくことが重要です。