中国輸入Amazon販売の専門家 加藤さとしです。
この記事を読んでるあなたは、
これから物販ビジネスを始めたいけど、自分は
古物商の許可を取っておいた方がいいのか知りたい
または
現在、古物商の許可なしにメルカリ等で転売してるけど、
実は必要なんじゃないかと焦ってる・・・
こんな人かもしれません。
古物商の許可とは、簡単にいうと
「古物」の「売買」をする場合に
必要な資格みたいなものです。
※資格といっても試験等は特になく、
届出をしてお金を払うだけです
古物商の許可は、中古品を売買するなら
基本的に持っておくべきです。
ただし、中古品の売買であっても
古物商の許可が不要な場合もあります。
逆に、新品・未開封品を売買する場合でも
古物商の許可が必要な場合もあります。
このように古物商許可の要・不要は
様々なパターンで分かれるため、
これから物販ビジネスを始める人は
(もちろんすでにやってる人も)
最初に必ず覚えなければいけません。
もし、本来は許可が必要なのに、
無許可で売買していることがバレたら・・・
最悪、懲役刑や罰金などの
重いペナルティを受けてしまいます。
そんな事態にならないためにも、
当記事を通して古物商の許可とはどんなものか、
どういった場合に必要なのかを
しっかりチェックしてください。
古物商とは?古物商の許可が必要な場合は?
古物商とは「古物を営利目的で売買する業者・個人」
そもそも、古物商ってなんでしょうか?
Wikipediaにはこう書かれています。
古物商とは・・・古物営業法に規定されている古物を
業として売買または交換する業者・個人のこと
要するに
古物を営利目的で売買するのが古物商
ということです。
上記に該当する人は事前に古物商の許可を
とらなければいけません。
ここで重要なのが次の2点です。
古物営業法が規定する「古物」を扱っているか?
営利目的で売買しているか?
この2点をいずれも満たしている場合に限り、
古物商の許可が必要になる可能性があります。
詳しく見ていきましょう。
(例外もあり、絶対ではありません)
古物商の許可が必要か不要かを判断する基準
①古物営業法が規定する「古物」を扱っているか?
古物商とは「古物」を
「営利目的で売買すること」でした。
では、「古物」とはなんでしょうか?
「古物=古い物」と書くので中古品をイメージする人が
多いかもしれませんが、実はそうでない場合もあります。
ここで古物営業法における
古物の定義について見てみます。
「古物」とは・・・
①一度使用された物
②使用されない物品で使用のために取引された物
③これらの物品に幾分の手入れをした物
この3つを指します。
①一度使用された物とは、
文字通り「中古品」のことです。
わかりやすいですね。
問題になるのが、②使用されない物品で
使用のために取引されたものです。
簡単にいうと、
一般消費者が使用するために買ったけど、
使ってない商品のことです。
たとえば、メルカリで一般ユーザーが
出品している新品の任天堂Switch。
商品の状態自体は新品ですが
古物営業法では「古物」に該当します。
こういったものは仮に新品・未開封の状態でも
すべて「古物」にあたります。
「新品・未開封だったら古物ではない」と
勘違いする人もいるかもしれませんが、
一般消費者に渡った時点で古物となる点は
覚えておいてください。
③の「これらの物品に幾分の手入れをした物」とは、
①②を修理、リメイクなどの加工を施した物です。
ジャンク家電品を買い取り、修理して、
ヤフオクなどで再販するといった
事業をしている人が該当します。
②営利目的で売買しているか?
古物商の許可が必要になるもう一つの判断基準は、
古物を「業として売買すること」です。
「業として売買すること」とは、
利益を出すために継続して
売買することを指します。
では、継続的に売買するとは
どの程度の頻度なのでしょうか?
消費者庁が、次のように見解を述べています。
以下の場合には特別の事情がある場合を除き、営利の意思を持って反復継続して取引を行う者として販売業者に該当すると考えられる。但し、これらを下回っていれば販売業者でないとは限らない。商品の種類によっても異なるが、一般に、特に、メーカー、型番等が全く同一の新品の商品を複数出品している場合は、販売業者に該当する可能性が高いことに留意すべきである。
①過去1ヶ月に 200 点以上又は一時点において 100 点以上の商品を新規出品している場合。但し、トレーディングカード、フィギュア、中古音楽CD、アイドル写真等、趣味の収集物を処分・交換する目的で出品する場合は、この限りではない。
②落札額の合計が過去1ヶ月に 100 万円以上である場合
但し、自動車、絵画、骨董品、ピアノ等の高額商品であって1点で 100 万円を超えるものについては、同時に出品している他の物品の種類や数等の出品態様等を併せて総合的に判断される。
③落札額の合計が過去1年間に 1,000 万円以上である場合
引用:消費者庁(『インターネット・オークションにおける「販売業社に係るガイドライン」』)
ただし、これらはあくまで
目安の一つと覚えておいてください。
1カ月の出品数が100点以上でも、
家にある不用品を片っ端から売っていたら
それは営利目的ではないため古物商の許可は不要です。
逆に、100点未満でも継続して同じものを売っていたら
ビジネスと認められる可能性が高いので許可が必要です。
これは「利益が出ている、出ていない」に関わらずです。
なお、利益を出すため継続的に売買してた人が仮に
「自分で使うために買ったけど不要になったから売ってるだけ」
と主張しても、継続性があればそれは営利目的と
みなされる可能性があるのでご注意ください。
なぜ古物商の許可が必要なのか?
- 古物営業法が規定する「古物」を扱っている
- 営利目的で売買している
上記の2点を満たす個人・業者は
古物商の許可が必要です。
では、なぜ許可が必要なのでしょうか?
許可が必要な理由は、古物営業法で
次のように説明されています。
この法律は、盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るため、古物営業に係る業務について必要な規制等を行い、もつて窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することを目的とする。
引用:古物営業法 第一条
わかりやすく言うと、
古物商の許可が必要になる理由は
①盗品等の売買を防ぐため
②盗品等を元の持ち主に返せるようにするため
この2点です。
古物商の許可がいらなければ、誰でも
営利を目的とした中古品の売買が
できてしまいます。
すると、個人が小売店で万引きした商品を
メルカリ等で転売するといった事件が今以上に
増えるかもしれません。
さらに繰り返し転売されると、盗品が最終的に
どこへ行ってしまったのかもわからなく
なってしまう恐れがあります。
これらが起こるのを未然に防ぐため、
中古品を売買する際は許可を
取らなければいけないようになっています。
古物営業の法令に違反した場合は最大で「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」
本来は古物商の許可が必要なのに、
無許可で売買していた・・・
上記の場合は、
懲役3年以下または100万円以下の罰金
という重い罪が課される可能性があります。
でも、古物商の許可を取らないで
営業してるのって実際バレるの?
と思うかもしれません。
たしかに、古物商許可の掲示は
義務化されていないことが多いので、中には
こっそり販売している人もいるかもしれません。
しかし稀にですが、同業他社やお客さんから
通報されて発覚、以下のように逮捕に至る
ケースもあります。
例1:中古漁船を無許可売買
中古漁船4隻を無許可で売買したとして警視庁などは、北海道根室市の自営業の男(67)を古物営業法違反(無許可営業)の疑いで20日に釧路地検に書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。
男は「20年ほど前から100隻以上を扱った」と供述しているという・・・
引用:朝日新聞DIGITAL
例2:ギャルソン社員、書類送検 自社古着を無許可転売の疑い
古物業の許可を得ないままファッションブランド「コム・デ・ギャルソン」の古着3点を仕入れて転売したとして、警視庁は28日、同ブランドを展開する会社の社員の男(24)=川崎市=を古物営業法違反(無許可営業)の疑いで東京区検に書類送検し、発表した。
男は古着屋に勤務経験があり、ネットに出品されたギャルソンなどの古着の中から高値で売れそうなものを「目利き」していたという。警視庁は、男が2017年1月以降、計452点を転売して約216万円の利益を上げたとみて解明を進める・・・
引用:朝日新聞DIGITAL
国内仕入れ・国内販売で古物商許可が必要な場合・不要な場合
ここまで古物商の許可が必要なケースをみてきましたが、
実は仕入れ先・販売先が国内か海外か?
などでも異なることがあります。
自分の場合はどうなんだろうと
悩んでいる人も多いでしょう。
そこで、ここからは物販ビジネスの主な手法毎に、
古物商許可の要・不要について紹介していきます。
まずは、国内で仕入れたものを
国内で販売するケースです。
①家にある不用品を処分する場合:基本的に不要
家にある不用品をヤフオクやメルカリなどで
販売(処分)する場合は、基本的に
古物商の許可は不要です。
ただし先ほどもお伝えしたように、
継続的に売買していると営利目的とみなされ、
古物商の許可が必要になる可能性があります。
②中古販売店で仕入れた商品を転売する場合:必要
ブックオフやリサイクルショップといった
国内の中古販売店で仕入れた商品を
ヤフオクやメルカリなど国内で転売する場合は
古物商の許可が必要です。
中古販売店で売っている商品はすべて
一般消費者が使用目的が買ったものなので
「古物」にあたります。
そのため、中古品、新品・未開封品に限らず、
古物商の許可が必要になります。
③フリマアプリ・オークションサイトで仕入れた商品を転売する場合:ケースバイケース
メルカリやヤフオクなどでは基本的に、
個人が使用目的で購入したけど
使わなくなったものを販売しています。
つまり、こういったものは「古物」に該当するので、
個人から仕入れて販売する際は古物商の許可が必要です。
では、個人ではなく「ストア」が販売している
商品はどうでしょうか?
そのストアがメーカーで、一般消費者に
渡っていない新品なら、古物に該当しないので
古物商の許可は不要です。
ただしストアの中には、
一般消費者から買い取った中古品を
ヤフオク等で販売していることもあります。
その場合は、古物商の許可が必要になります。
④家電量販店など小売店で仕入れた商品を転売する場合:不要
家電量販店などの小売店で売っている商品は、
一般消費者の手に一度も渡っていない新品です。
つまり、古物に該当しないため
古物商の許可は不要です。
⑤国内ECサイトから仕入れた商品を国内で転売する場合:ケースバイケース
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなど、
国内ECサイトから仕入れた商品を転売する場合は
ケースバイケースです。
販売業者自身がメーカー、またはメーカーや
卸売業者から直接仕入れている商品なら
古物に該当しないので古物商の許可は不要です。
一方、ECサイトでは個人から買い取った商品を
販売している業者もあり、そういった業者の
中古品を仕入れて転売する場合は許可が必要です。
⑥メーカー直仕入れや卸売業者から仕入れた商品を転売する場合:不要
メーカー直仕入れや卸売業者から仕入れた商品を
転売する場合も古物商の許可は不要です。
小売店などと同様、そういった商品は
一般消費者の手に一度も渡っておらず
「古物」には該当しないからです。
輸入品の国内販売で古物商許可が必要な場合・不要な場合
次は、輸入品を国内で販売する際の
古物商の許可の有無について
見ていきます。
⑦海外から直接仕入れた輸入品を国内で販売する場合:不要
中国や欧米など、海外から直接仕入れた商品を
国内で販売する場合は古物商の許可は不要です。
これは新品であろうと中古品であろうと、
取引相手がメーカーでも個人でも、です。
というのも、古物営業法が適用されるのは
国内のみだからです。
海外の取引に関しては法律適用外になるので、
古物商の許可はいりません。
⑧国内の輸入業者から仕入れた輸入品を販売する場合:ケースバイケース
国内の輸入業者から仕入れた商品を
国内で販売する場合、古物にあたる
中古品なら古物商の許可が必要です。
一方、海外のメーカーから新品を仕入れている
正規販売代理店等の商品であれば許可は不要です。
国内仕入れ・海外販売で古物商許可が必要な場合・不要な場合
最後に、国内で仕入れた商品を
海外へ輸出販売する場合です。
⑨国内で仕入れた商品を海外で転売する場合:ケースバイケース
国内で仕入れた商品をebayや海外Amazonといった
海外で転売する場合、その商品が古物に該当しない、
つまり一般消費者の手に渡っていない新品なら
古物商の許可は不要です。
たとえば、ビックカメラで買った家電製品を
海外Amazonで販売する、ドンキホーテで買った
雑貨をebayに出品するといった場合は不要です。
一方、メルカリやヤフオクなどで個人から
仕入れた商品については古物に該当するので、
輸出でも許可が必要になります。
要するに、輸出販売の場合も
国内仕入れ・国内販売と同じ基準
ということですね。
古物商許可証の取得方法・必要書類・費用は?
ここまでご説明した古物商許可についてですが、
いったいどんな手続きが必要で、必要書類や費用など
気になる方も多いでしょう。
ここでご説明するのは非常に長くなってしまいますので
以下のリンクをクリックしてお読みになってみてください。
(古物商許可)個人の取り方を徹底解説!必要書類、書き方、費用は?
まとめ
今回は物販ビジネスで古物商の許可が
必要なケースを解説しました。
許可の有無を判断するには、まず
①古物営業法が規定する「古物」を扱っているか?
②営利目的で売買しているか?
この2点が重要でした。
「古物」と聞くと中古品をイメージしますが、
一度でも消費者の手に渡ったものは
新品・未開封でも古物となります。
メルカリ等で個人から仕入れた新品を
転売する場合などはこれに該当するので
注意してくださいね。
また、仕入れ場所と販売場所が
国内or海外でも変わってきます。
もし許可が必要かどうかわからない場合は、
最寄りの警察署に相談することを
おすすめします。