ネット物販歴20年超えの専門家 加藤さとしです。
今回はタイトル通り、
”危険物”と呼ばれる商品を
Amazonで販売する際に必要な
FBAで納品する手順や注意点について
解説していきます。
危険物を扱うセラーは
通常商品と比べて少ないため、
大きな利益を上げられる可能性があります。
しかし、一方で”危険物”と言われるだけに、
細かなルールがいくつかあります。
万が一誤った納品方法をしてしまった場合、
商品が受領されず返送されてしまうばかりか
二度と危険物を出品できなくなってしまう
恐れもあるので注意しなければいけません。
加藤さとし
Amazonで危険物に該当する商品とは?
まずは、Amazonで危険物に該当する商品を
確認しましょう。
危険物と聞くと、毒物や劇物など明らかに
害のあるものを思い浮かべるかもしれません。
しかし、Amazonにおいては
わたしたちが普段何気なく使っているものでも
該当していることがあります。
ちなみに危険物は、
- 事前に申請をすればFBA出品できるもの
- FBA出品が禁止されているもの
この2つに分けられます。
消防法、国際航空運送協会(IATA)によって危険物判定されているもの
Amazonで危険物判定されているものは
消防法、国際航空運送協会(IATA)によって
危険物として輸送が規制されている製品で、
以下の条件に当てはまるものです。
- 商品やパッケージに「腐食性」「可燃性」「刺激性」「有毒性」「環境に有害」「有毒」「限定量」「危険」「まぜるな危険」など警告がある
- 引火点が250℃以下
- スプレー缶に入っている
- 圧縮されたガス
具体的な商品は次のとおり。
爆発物・火薬類 | 花火・クラッカー・発煙筒・爆竹 |
引火性ガス | ガス入りライター・引火性エアゾール類、小型燃料ガスボンベ、カセットコンロ用ガス |
非引火性ガス | 酸素・炭酸・エアガンガス・ヘリウムなどの圧縮ガス、消火器、液体窒素、ダイビング用ボンベ・ソーダストリ ームのカートリッジ |
引火性液体 | オイルライター、ペイント類、ネイルグッズ、香水、接着剤、ガソリンアルコール、印刷用インク、香料、灯 油、アロマオイル、アルコールやグリセリン、精油などの引火性液体を原料に使用した、消毒液や化粧品、 一部のヘアオイル |
可燃性物質 | マッチ・カルシウム・マグネシウム・着火剤・活性炭・ピンポン玉・アルコールタイプのウェットティッシュ |
酸化性物質 | 漂白剤・小型酸素発生器・過酸化水素水を含む育毛剤 |
毒物類 | 殺虫剤・農薬・消毒剤・バクテリア・ウィルス・蚊取り線香 |
放射性物質 | ウラン鉱石・イオン化式煙探知機・放射能マークが付いている製品 |
腐食性物質 | カーバッテリー・一部の洗剤・台所用漂白剤・水銀・硫酸・酢酸・チオ尿酸 |
その他 | エンジン・強い磁石・電動自転車 |
毒物や放射性物質を扱う人は
まずいないと思いますが、
気をつけなければいけないのが
アルコールが入ったものやバッテリー類です。
アルコール入りのものは美容ジャンルに多く、
バッテリー系はカー&バイク用品や
家電ジャンルでよく見られます。
Amazonのホームページには
ジャンル別で危険物に該当する商品例が
掲載されているので、そちらも確認してみてください。
参考:Amazonで危険物として規制される可能性のある商品一例
FBAへ納品できない代表的な危険物
危険物の中でも以下の商品は
FBA納品が禁止されています。
FBA納品が禁止されている危険物
爆発物・火薬類 | 花火、パーティクラッカー、発煙筒、爆竹 |
引火性ガス・非引火性ガス (商品自体の大きさが1Lを超える商品もしくは商品の容量が1L以下でも摂氏35度の環境において、ガスの圧力が0.8MPa以上の商品) | ヘリウムなどの圧縮ガス、消化器、ダイビング用ボンベ、炭酸水用の炭酸ガスカートリッジ |
引火性液体
| 業務用の消毒用アルコール、ペンキ、メタノール(純正) |
毒物類 | 過酸化水素水(5%以上)、ヒ素、クロロホルム、バクテリア、ウイルス |
放射性物質すべて | ウラン鉱石、ガイガーカウンターのテスト用物質、一部の種類の煙感知器 |
腐食性物質 | 開放式、密閉式カーバッテリー 水銀式体温計、水銀式温度計 |
その他(環境有害物質、内燃機関) | エンジン・強い磁石 |
万が一、上記商品をFBA納品してしまうと、
”重大な納品不備”として扱われ、
危険物のFBA納品ができなくなります。
「Amazonで危険物に該当する商品か?」確認する方法
Amazonセラーセントラルで危険物判定を行う
あなたが扱う商品が
既にAmazonで販売されている場合、
セラーセントラルで危険物かどうかを
調べることができます。
出典:Amazon
ページ上部の検索窓に
”危険物”と入力して
虫眼鏡マークをクリックします。
出典:Amazon
”ASINの検索”にチェックを入れて
次へをクリックします。
出典:Amazon
ASINを入力後、”ステータスを確認する”
をクリックすると結果が出ます。
このとき、以下のいずれかの
メッセージが表示されます。
- この商品は危険物です…危険物に該当する商品
- この商品は危険物ではありません…危険物に該当しないため、通常商品として納品可能
- 追加情報が必要です…危険物審査が保留しており、判定できていない状態
- メッセージが何も表示されていない場合…危険物審査中で判定できていない状態
3と4のメッセージの場合は
現時点で危険物かどうかが
わかりません。
出典:Amazon
3の場合は、情報不足により
判定が行えない状態のため、
- 電池に関する商品→製品情報確認シート
- それ以外の商品→安全データシート
上記の書類を提出することで
危険物判定をしてもらうことができます。
4の場合はなんらかの理由で
判定がストップしている状態です。
この場合は一度テクニカルサポートに
問い合わせをしてみてください。
危険物をFBA納品する方法・注意点
ここからは危険物に該当する商品を
FBA納品する方法について解説します。
危険物の場合は通常商品と異なり、
事前申請や細かい規定が複数あります。
もしルールを守らずに納品してしまうと、
商品が送り返されたり(※もちろん返送料は出品者負担)
何度も納品不備を起こすと危険物のFBAが
利用できなくなるので注意してください。
必ず、Amazonが提供する最新のマニュアルを一通り確認しておく
まずはAmazonが掲載している
危険物におけるFBAのマニュアル
に一通り目を通しておいてください。
けっこうなボリュームがありますが、
マニュアルは随時更新されており、
ルール等が変更されている可能性もあります。
自分の身を守るためにも
必ず熟読しておくことをおすすめします。
Amazonへ、危険物の取り扱いリクエストフォームを申請する
危険物の輸送や保管は
法律に基づいた基準があるため、
事前にAmazonへ許可申請を
出しておかなければいけません。
申請をするには、
危険物の取り扱いリクエストフォーム
を記入して提出します。
一番最初の出品者トークンですが、
セラーセントラルの「設定」をクリック、
出品者情報内にある「あなたの出品者トークン」
より確認することができます。
あとはAmazonでの店舗名を記入し、
チェックボックスにチェックをして提出します。
ちなみに、危険物の取り扱いは
大口出品者のみが利用でき、
小口出品者は利用できません。
また、取り扱いの許可が下りるまでは
1週間ほどかかるので
早めに申請をしておきましょう。
危険物として商品登録をする
FBA納品の前に、該当商品を
危険物として登録しておく必要があります。
出典:Amazon
在庫管理画面より該当商品を選択し、
詳細の編集→Amazonから出品
をクリックします。
出典:Amazon
「危険物情報を追加」をクリックします。
出典:Amazon
商品に電池を使用しているか、
使用していないかで回答項目が異なります。
出典:Amazon
電池を使用している商品の場合は
電池の組成、種類、サイズ、数を入力します。
出典:Amazon
製品規制情報については
危険物に該当する商品なので
「はい」にチェックをし、
規制の種類を選択します。
規制の種類がどれに該当するかわからない場合は、
テクニカルサポートに問い合わせてみてください。
規制の種類によって質問内容は変わりますが、
以下の内容を記入していきます。
- 安全データシートURL
- 国連(UN)番号(配送を選択した場合のみ)
- 製品重量と製品寸法
- 引火点
- 危険物ラベルの種類(危険物ラベルを選択した場合のみ)
安全データシートのURLや国連番号は、
メーカーのHPから取得できます。
引火性液体の納品時はさらに別の事前申請が必要
危険物の中でも”引火性液体”
にあたる商品の場合は
納品時に別途申請が必要です。
引火性液体の商品例
- マッキーなどの油性塗料インク
- 一部のヘアオイル
- 消毒液
- 化粧品
- マニキュア・ネイルグッズ
- 香水
※該当商品が引火性液体かどうか
判断が付かない時はテクニカルサポートへ
問い合わせてみてください。
ここでは、
- 出品者トークンID
- 店舗名
- 申請内容
- ASIN
- 商品名
- 過去30日の販売個数 (未販売の場合は予測値)
上記6点を入力します。
一度申請した商品は、次回納品時からは
申請が不要になります。
なお、引火性液体にあたる商品は、
納品先が狭山FCもしくは小田原FCのみです。
また、狭山FCへ納品する場合は
- パレットを利用した納品不可
- マルチチャネルサービスでの無地箱ダンボールの利用不可
となっているので注意してください。
FBA倉庫へ発送する
危険物の納品時は、FBAの通常ルールに加えて
以下の点を守る必要があります。
FBAパートナーキャリアサービスの利用は不可
輸送箱の側面に専用のラベルを貼り付ける
納品できるサイズは小型サイズ・標準サイズのみ
通常商品との同梱はできない
混合在庫での納品はできない
注意点①FBAパートナーキャリアサービスの利用は不可
危険物を納品する際は
FBAパートナーキャリアサービスを
利用することはできません。
*FBAパートナーキャリアサービス
=Amazonと郵便局が連携して
提供している発送サービス
ですので、クロネコヤマトや佐川急便といった
配送業者に依頼して発送する必要があります。
注意点②輸送箱の側面に専用のラベルを貼り付ける
商品を入れた輸送箱には
専用のラベルを貼り付けます。
ラベルはA5サイズ以上で印刷し、
複数の箱で発送する場合は
すべての箱に貼り付けなければいけません。
万が一シールを貼り忘れると、
”重大な納品不備”となってしまいます。
注意点③納品できるサイズは小型サイズ・標準サイズのみ
FBA納品できる危険物のサイズは
小型サイズと標準サイズのみです。
大型サイズは納品不可です。
- 小型サイズ…25 x 18 x 2 cm未満 かつ 250g未満
- 標準サイズ…45 x 35 x 20 cm未満 かつ 9kg未満
- 大型サイズ…45 x 35 x 20 cm以上 または9kg以上
注意点④通常商品との同梱はできない
危険物と通常商品を1つの箱に
同梱することはできません。
通常商品と分けて納品プランを作成し、
輸送箱もそれぞれ分ける必要があります。
注意点⑤混合在庫での納品はできない
危険物は混合在庫(JANコード納品)での
納品ができません。
混合在庫での納品とは、同一の商品であれば
自分の在庫と他ユーザーの在庫を
一緒にしてもいいというもので、
商品のバーコード貼り付けが不要になります。
危険物の場合はこれがNGのため、
商品一つ一つに商品ラベルを
貼らなければいけません。
まとめ
今回はAmazonで危険物を
FBA納品する手順・注意点
について解説しました。
危険物は申請・ルール等が面倒なため、
中にはライバルが少なく
稼げる商品も眠っています。
しかし、リターンとリスクは表裏一体。
ルールを無視すると危険物のFBA納品は
一切できなくなるリスクがありますし、
粗悪な商品だとユーザーにケガ等をさせてしまい
最悪、訴訟問題に発展する恐れもあります。
危険物を扱う場合は、それなりのリスクがあることを
熟知した上で、責任をもって販売していきましょう。