PL保険は輸入ビジネスに必要?加入方法や保険料なども解説!-min

 

ネット物販歴20年超え

Amazon個人物販の専門家 加藤さとしです。

 

ビジネスには様々なリスクがつきものです。

 

もちろん、物販ビジネスにもリスクはあり、

その中でも特に注意すべきが

製品使用時の事故」です。

 

あなたの売った商品が不良品だったり

取扱説明書に不備があったりした場合・・・

 

最悪、使用者が亡くなってしまい、

何千万円、何億円という莫大な損害賠償を

請求されるケースもあります。

 

こうした事故を防ぐには、

 

  • 検品をしっかり行い、不良品をできるだけ排除する
  • 取扱説明書や注意欄に不備がないかを確認する

 

といったことが必須です。

 

しかし、これで100%防げるかと言えば、

答えは「No」です。

 

どれだけ気を付けても、事故を100%防ぐのは

まず無理と思ったほうがいいでしょう。

 

そこで、重要になるのが

今回紹介する「PL保険」です。

 

輸入物販・オリジナル商品をする人は

PL保険の加入は必須と言えます。

 

今回の記事では、

 

PL保険とはどのような保険なのか?

保険料はどれくらいするのか?

どうやって加入するのか?

PL保険に加入する際の注意点はあるのか?

 

こういった点を詳しく解説していくので、

最後まで読み進めていってください。

 


加藤さとし

最初のうちは保険料が年間1万円以下で済むので、必要経費としてぜひ加入しておきましょう!

 

PL保険とは?

PL保険とは?-min

 

PL保険は「生産物賠償責任保険」という

保険商品の一つです。

 

PL保険・・・第三者に引き渡した物や製品(Product)、業務の結果(Completed Operation)に起因して賠償責任を負担した場合の損害を、身体障害または財物損壊が生じることを条件としてカバーする賠償責任保険

出典:Wikipedia

 

物販ビジネスの場合ですと、

自分が販売した商品によって使用者が

ケガや物損など何らかの不利益を被ってしまい、

損害賠償請求をされた。

 

その際、保険会社が損害賠償金を

代わりに払ってくれる

というのがPL保険です。

 

自動車の任意保険と同じようなものですね。

 

加入必須ではありませんが、事故を起こしてしまった時など

万が一の時に保険会社が救済をしてくれる役割を持ちます。

 

もちろん、PL保険は法人だけでなく

個人事業主でも加入可能です。

 

では、物販ビジネスをしている全ての人が

PL保険に加入すべきなのでしょうか?

 

 

PL保険はオリジナル商品販売者、中国輸入商品の販売者は加入すべき理由

PL保険はオリジナル商品販売者、輸入商品の販売者は加入すべき理由-min

 

PL保険は、

 

オリジナル商品の販売をしている人

中国輸入Amazon販売など、輸入物販ビジネスをしている人

 

こういった人は必ず加入しましょう。

 

その理由は・・・

オリジナル商品・輸入品を販売する場合は、

商品の責任所在が”あなた”にあるからです。

 

たとえば国内メーカーが販売しているものについては、

責任の所在は基本的にそのメーカーにあります。

 

日本にはPL法(製造物責任法)という

法律があります。

 

PL法では、

製造物の欠陥が原因で損害が生じた場合、

製造業者等」に損害賠償の責任がある

と定められています。

 

ここでいう「製造業者等」には、

商品を製造した業者だけでなく

加工業者・輸入業者も含まれます。

 

自分がメーカーとなってオリジナル品を販売したり

海外から商品を輸入して国内で販売する人は、

この「製造業者等」に該当します。

 

そのためPL保険に入っていない場合、

もし何か問題が起きて賠償請求をされたら、

その全てを自分で払う必要が出てくるのです。

 

ですので、万が一のことを考えると

 

  • オリジナル商品の販売をしている人
  • 中国輸入Amazon販売など、輸入物販ビジネスをしている人

 

はPL保険の加入が必須と言えます。

 

 

そうは言っても、事故リスクは低いからPL保険は不要では・・・?

 

はっきり言うと、販売した商品が不良品で、

さらに購入者がケガをして賠償問題にまで

発展するケースは、かなり稀です。

 

この数年間、加藤の周りでは

聞いたことがありません。

 

なので、

そんなことのために無駄な保険料を払いたくないよ・・・

という人もいるかもしれません。

 

しかし、過去には輸入会社が重大事故を起こし、

多額の賠償金を払うことになったケースが

いくつも存在します。

 

輸入業者の訴訟例

(例1)瓶詰オリーブの輸入・販売会社がレストランに卸していたオリーブで食中毒が発生
→訴訟額:4,510万円

 

(例2)輸入会社が販売していた電動車椅子が暴走し、使用していた人が死亡
→訴訟額:2,860万円

 

(例3)スポーツ用品輸入会社が販売していたスキー板に不具合があり、使用者が重傷を負う
→訴訟額:3,984万円

 

(例4)自転車輸入会社が販売していた自転車に不具合があり、使用者は重度の傷害を負い、後遺症も残る
→訴訟額:1億6,379万円

 

出典:国民生活センター

 

もしPL保険に加入していなかったら、

この費用はすべて自分で払わなければいけないのです。

 

いきなり何千万円、何億円を払えと言われて、

簡単にポンっと出せる人はほぼいないでしょう。

 

払えたとしても、ビジネス的には

大打撃を受けるはずです。

 

後ほど解説しますが、PL保険の保険料は

保険内容からすればかなり安いので、

保険料はあくまでも”必要経費”と割り切り、

加入することをおすすめします。

 

 

ハンドメイド作品の販売者もPL保険に加入すべき?

 

メルカリなどでハンドメイド作品を販売している人は、

PL保険に入っておくべきなのでしょうか?

 

結論から言えば、

 

その商品を使うことで何らかの事故等、

発生する可能性がある場合は加入すべき

 

です。

 

たとえば、

 

  • ベビーグッズ(抱っこ紐、知育玩具など)
  • 机や椅子などの大型インテリア
  • ガラス細工

 

といった商品です。

 

一応、PL法では対象となる製造物を

「一般的には、大量生産・大量消費される工業製品」

と定義されており、ハンドメイド作品は

該当しない可能性もあります。

 

ただし、あくまで可能性であって、

責任の所在は商品内容、状況などで

変わってくるはずです。

 

少しでも心配な人、リスクを減らしたい人は

加入しておくことをおすすめします。

 

 

欧米輸入物販など、海外メーカーの商品を扱う人もPL保険に加入すべき?

 

中国、欧米などに関わらず、

輸入した商品を国内で販売する人は

必ずPL保険に加入しておいた方がいいです。

 

中国輸入ではノーブランド品を扱うため、

その商品の責任所在は輸入元にあると

なんとなくわかります。

 

一方、欧米輸入物販では一般的に

海外の有名メーカー等が販売する

ブランド品を扱うので、

責任の所在はそのメーカーにあるんじゃないの?

と思うかもしれません。

 

しかし、欧米輸入物販で仕入れる商品の多くは

並行輸入品であり、仮に商品に欠陥などがあっても

メーカーからサポート等を受けることができません。

 

また、海外メーカーの本社所在地は

国外なので国内の法律が効きづらくなっています。

 

以上のような理由から、欧米輸入物販で

仕入れた商品の責任所在はメーカーだけではなく、

輸入元のあなたにも降りかかる可能性が高いのです。

 

ですので、中国、欧米など仕入れ先に関わらず

輸入販売を行う人は必ずPL保険に加入しておく

ことをおすすめします。

 

 

PL保険の保険料相場はどれくらい?

PL保険の保険料相場はどれくらい?-min

 

PL保険の保険料は、年間売上や取扱製品、

補償範囲などによっても変わりますが、

おおよその保険料相場は次のとおりです。

 

  • 年間売上1,000万円まで→年間5,000円〜1万円程度
  • 年間売上5,000万円まで→年間3〜5万円程度
  • 年間売上1億円まで→年間5〜10万円程度

 

売上規模から考えれば、保険料は非常に安いので

必要な人は是非とも加入すべきです。

 

なお、PL保険を契約する際は保険料算出のために

前年度の売上がわかる書類を提出する場合があります。

 

そのため、まだ商品を販売しておらず売り上げがない場合は

保険に加入できない可能性があります。

 

その場合は、まず大きなリスクが伴わない商品を

販売して売り上げを作るところから始めていきましょう。

 

 

PL保険の加入先、加入方法を解説!

PL保険の加入先、加入方法を解説!-min

PL保険に加入する方法としては、

主に次の2パターンがあります。

 

①保険会社が販売しているPL保険に申し込む
②商工会議所を通して申し込む

 

 

①保険会社が販売しているPL保険に申し込む

 

PL保険は以下のように

様々な保険会社が販売しており、

直接申し込みが可能です。

 

  • 東京海上日動の「生産物賠償責任保険」
  • 損保ジャパンの「商賠繁盛(販売業)」
  • 三井住友海上の「生産物賠償責任(PL)保険」
  • 共栄火災の「PL保険(生産物賠償責任保険)」

 

なお、PL保険には主に

 

  • 国内PL保険
  • 海外PL保険

 

がありますが、国内販売をする人は

日本国内での事故に対して補償が効く

国内PL保険」を選んでください。

 

また、どの保険がいいのかは人によって異なるので、

各保険会社に問い合わせてみてください。

 

 

②商工会議所を通してPL保険に申し込む

 

商工会議所は、PL保険を含む

様々な事業リスクに対して補償する

ビジネス総合保険制度」という保険を

提供しています。

 

これは商工会議所と大手保険会社が提携しているもので、

以下のような種類の保険があります。

 

  • あいおいニッセイ同和損保:タフビズ賠償総合保健・タフビズ建設業総合保険
  • 損保ジャパン:賠償プラス
  • 東京海上日動:超ビジネスプロテクト
  • 三井住友海上:企業総合賠償責任保険
  • 大同火災:ビジネス総合保険制度

 

上記は事業リスク全般に対する保険ですが、

 

  • あいおいニッセイ同和損保
  • 三井住友海上
  • 大同火災

 

といった会社はPL保険に特化した

プランも用意しています。

 

保険会社が提供するPL保険に直接申し込むのではなく、

商工会議所を経由する理由は”割引制度”があるからです。

 

商工会議所の会員は、保険会社との直契約よりも

年間保険料が30%前後安くなります。

 

ただし、商工会議所の会員になるには年会費が

1万円程度かかるので、そのバランスを見て

どちらで加入した方がお得か判断しましょう。

 

もし、通常保険料が1万円の保険なら

 

  • 保険会社に直申込→保険料10,000円
  • 商工会議所経由⇨年会費1万円+保険料7,000円(30%引き)=17,000円

 

となり、保険会社に直接申し込んだ方が安くなります。

 

一方、売上が大きくなり、通常保険料が5万円なら

 

  • 保険会社に直申込→保険料50,000円
  • 商工会議所経由⇨年会費1万円+保険料35,000円(30%引き)=45,000円

 

となり、商工会議所経由の方がお得になります。

 

 

PL保険を契約する上での注意点

PL保険を契約する上での注意点-min

 

PL保険を契約する上での注意点を

2つ紹介します。

 

 

PL保険に加入していても適用外になるケースがある

 

PL保険を適用できるのは、

日本の法律に適合した商品を

販売している場合のみです。

 

違法に製造された製品を販売した場合や

製品自体は合法でも販売に必要な免許等を

取得せずに違法に販売していた場合

保険適用外となるのでご注意ください。

 

ちなみに、商品仕入れ時に関わる

重要な法律と該当商品例は以下の通りです。

 

法律

該当する商品例

電気用品安全法(PSE)

特定電気用品(ACアダプタ、充電器)、特定電気用品以外の電気用品(家電製品全般、照明器具)

電波法

Bluetoothを使った製品(例:FMトランスミッター)

消費生活用製品安全法

ライター、レーザーポインターなど

食品衛生法

食品に触れるもの(例:炊飯器、ミキサー)

薬機法

医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品

ワシントン条約

絶滅危惧種の動植物の革などを使った製品(ローズウッド製のギター、ワニ革の財布)

 

法律に適合した商品を販売するのは当然ですが、

PL保険に加入する際は今一度問題がないかを

チェックしておきましょう。

 

 

契約更新を忘れないようにする

 

PL保険の契約期間は原則1年

となっています。

 

契約更新をしておらず、期限が切れていた場合は

当たり前ですが保険を適用することはできません。

 

契約更新時期には担当者から連絡が来る

と思いますが、必ず忘れずに更新しましょう

 

 

まとめ

 

今回の記事を読んでいただいて、

PL保険に加入することがいかに重要か

お分かりいただけたかと思います。

 

冒頭でお伝えしたとおり、

事故を100%防ぐのは不可能です。

 

しかし、万が一の事態に備えて

保険に加入しておくのは簡単なこと。

 

保険料も年間5,000円程度〜と、

補償内容を考えればかなり格安なので

中国や欧米からの輸入品・

もしくはオリジナル商品を販売している人は

必ず加入しておきましょう。