Amazon出品アカウントは複数作るべき?その方法とメリット、デメリット

 

ネット物販歴25年超え

Amazon個人物販の専門家 加藤さとしです。

 

Amazonで販売を続けていると、

出品アカウントが複数ほしい

というタイミングが来ると思います。

 

また、他のセラーから

出品アカウントは複数持っておいたほうがいいよ!

なんて言われた経験がある人もいるかもしれません。

 

Amazon出品アカウントは原則1人1つまで

と決められていますが、いくつかの条件をクリアすれば

複数作成は可能です。

 

また、この条件をクリアしていなくても

裏技的に複数作成できる方法も存在します

 

ただし、場合によっては複数作成のデメリットが

メリットを大きく上回ることもあるので、

すべての人におすすめできるわけではありません

 

今回は、Amazon出品アカウントを複数作る

メリット・デメリットを紹介した上で、

具体的な作成手順について解説していきます。

 

この記事を読めば、あなたが

”本当に複数のAmazon出品アカウントを作るべきか?”

また、その作成方法についてもわかるようになっているので、

ぜひ参考にしてみてください。

 

 

Amazon出品アカウントを複数作ることは可能か?

Amazon出品アカウントを複数作ることは可能か?

 

個人アカウントの場合は複数作成は原則禁止、ただし例外あり

 

Amazonでは、個人アカウントが所持できる

出品アカウントは原則1人1つ

となっています。

 

ですが、Amazonは例外として、

”別のアカウントを必要とするAmazonプログラムに採用されている”

この条件を満たすセラーは2つ目のアカウントを

持つことを許可しています。

 

別のアカウントを必要とするAmazonプログラムとは、

Amazon限定ブランドプログラムです。

 

Amazon限定ブランドプログラムは、

Amazonでのみ販売するブランドや商品に

適用できる制度です。

 

Amazonの商品ページを見ていると

Amazon.co.jp 限定”と書かれているものがあり、

これがプログラムに採用されている商品です。

 

個人アカウントの場合は複数作成は原則禁止、ただし例外あり

 

このプログラムに採用されると、

 

  • AmazonSEO上、有利に働く
  • 広告出稿をしなくてもスポンサープロダクト広告枠に表示される
  • Amazon担当者が付き、マーケティングのサポートをしてくれる

 

といったメリットがあります。

 

とは言っても、Amazon限定ブランドプログラムは招待制のため、

この方法で2つ目のアカウントを作ることは簡単ではありません

 

そこで、裏技的な方法ですが、

家族などの別名義を使うことで

複数アカウントを作ることは

一応、可能になります。

 

ただし、このやり方はそれなりに

リスクが存在します。

 

具体的な作成手順も解説しますが、

この後紹介するリスク・デメリットについても

しっかり目を通していただければと思います。

 

 

法人アカウントを所持していれば、2つ以上のアカウントを作成可能

 

法人アカウントを所持している人は、

特別なプログラム等に選ばれなくても

個人アカウントと法人アカウントで

計2つの出品アカウントを所持できます。

 

また、商品ジャンルなどによって

担当部署を分けている法人は、その部署ごとに

出品アカウントを作成することも可能です

 

 

Amazon出品アカウントを複数作るメリット

Amazon出品アカウントを複数作るメリット

 

Amazon出品アカウントを複数作るメリットは、

次の3つです。

 

アカウント停止・閉鎖のリスクヘッジができる

複数ジャンルの専門店を作れる

会計を分けることができる

 

 

①アカウント停止・閉鎖のリスクヘッジができる

 

アカウントが1つしかないと、

そのアカウントが停止・閉鎖してしまった場合に

売上は0になり、さらに売上金も一時保留となるので

かなりキツいはずです。

 

一方、複数の出品アカウントを所持していて

売上が分散されていれば、完全に売上が0

なることはありません

 

また、閉鎖されてしまったアカウントで

扱っていた商品を別アカウントですぐに販売再開する

といった選択肢も取ることができます

 

Amazonで複数アカウントを所持する

最大のメリットは、このリスク分散できる点

と言えるでしょう。

 

 

②複数ジャンルの専門店を作れる

 

複数の出品アカウントがあれば、そのアカウントごとに

1つのジャンルに特化した専門店を作ることができます。

 

専門店化することで、ブランディングができたり、

他の商品のあわせ買いを促せる場合もあります。

 

 

③会計を分けることができる

 

アカウントごとに異なる銀行口座、クレジットカードを

登録することで、ジャンル・商品ごとの売上や支払い

といった会計を分けることができます

 

会計を分けることで、お金の出入りがわかりやすくなり、

利益計算もしやすくなります。

 

たくさんの商品を扱っている人は

特にメリットと感じやすいでしょう。

 

 

Amazon出品アカウントを複数作るデメリット

Amazon出品アカウントを複数作るデメリット

 

次に、Amazon出品アカウントを複数作る

デメリットです。

 

複数アカウント所持がバレると、すべてのアカウントが閉鎖される

複数アカウント分の登録料がかかる

FBA納品時に手間がかかる

 

①複数アカウント所持がバレると、すべてのアカウントが閉鎖される

 

Amazonに申請しないで複数アカウントを所持し、

万が一バレた場合は、芋づる式ですべての

アカウントが停止、閉鎖になります。

 

当然、Amazonでは出品・販売ができなくなりますし、

閉鎖されると売上金が90日間、一時保留されます。

 

場合によっては、売上金がそのまま

没収されてしまうケースもあります。

 

リスクヘッジのために複数アカウントを作ったのに、

それが原因ですべてのアカウントが閉鎖されてしまっては

元も子もありません。

 

Amazonで複数アカウントの所持がバレる原因は

いくつかあり、またその対処法も存在するので、

後ほど複数アカウント作成方法の項目で紹介します。

 

 

②複数アカウント分の登録料がかかる

 

複数アカウントを所持していれば、当然、

そのアカウント分の登録料を払う必要があります。

 

大口プランの登録料は毎月4,900円なので、

仮に3アカウント所持していた場合、

3アカウント×4,900円×12カ月=176,400円。

 

1年で20万円近い登録料を払わなければいけません。

 

 

③FBA納品時に手間がかかる

 

アカウントが複数あると、納品時は

アカウントごとに分けて納品する

必要があります。

 

その分、送料が高く付きますし、

手続きにかかる時間も増えます。

 

 

Amazon出品アカウントを複数作成する方法

Amazon出品アカウントを複数作成する方法

 

Amazon出品アカウントを複数作成する方法について、

個人アカウントと法人アカウントで分けて

紹介していきます。

 

 

個人がAmazon出品アカウントを複数作成する方法

 

先ほどお伝えした通り、家族などの別名義を使えば

個人でも複数のアカウントを作ることはできます。

 

ただしこの方法の場合、アカウント作成・運用時は

名義だけでなく、以下の項目すべてを

別のものにする必要があります。

 

  • 店舗名、担当者名
  • 住所
  • 電話番号、メールアドレス
  • 銀行口座、クレジットカード
  • 端末、IPアドレス

 

 

店舗名、担当者名

 

店舗名は、以前登録したことがない

名前にすればOKです。

 

担当者名は、あなたではなく

家族などの別名義を登録します。

 

名義は、アカウント登録時に本人確認があるので、

架空の名義は使うことができません。

 

 

住所

 

住所は、家族が住んでいる場所などを使います。

 

もし、名義を同居している家族にする場合は

同じ住所でも大丈夫ですが、アカウント作成時に

Amazonから確認が入る可能性があります。

 

 

電話番号、メールアドレス

 

電話番号もこれまでAmazonに

未登録の番号を入力します。

 

電話番号がない場合は、格安SIMを契約すれば

月1,000円程度で新しい番号を所持できます。

 

なお、以前は使えた050が現時点で

利用不可となっている点はご注意ください

 

メールアドレスに関しては、

Gmailなどフリーメールを別途作成すれば

すぐに対応できます

 

銀行口座、クレジットカード

 

これまで登録したことのない

家族名義などの銀行口座、クレジットカードを

準備します。

 

クレジットカードを用意できない場合は

Vプリカ」というカードを使う方法もあります。

 

Vプリカはネット上で審査不要・即時発行できる

プリペイドカードです。

 

クレジットカードと同じように使えて、

Amazonでも登録可能です。

 

 

端末、IPアドレス

 

複数アカウント作成時はもちろん、

作成後に運用するときも端末・IPアドレスは

分けなければいけません。

 

Amazonでは同一端末、IPアドレスから

複数のアカウントでログインすると、

システムが自動検知しアカウントを停止する

仕組みになっています。

 

端末に関しては、新しい端末を用意するのが難しいときは

クラウド型のデスクトップサービス」を利用しても大丈夫です。

 

IPアドレスに関しては、以下のような方法で

別のものを用意することができます。

 

  • クラウド型仮想デスクトップサービスの利用
  • プロバイダーを変更する
  • モバイルWIFiを契約する
  • スマホの電源を一度切り、再度デザリングする

 

 

法人がAmazon出品アカウントを複数作成する方法

 

法人であっても、複数アカウントを

勝手に作ることは禁止されています。

 

必ず、事前にAmazon担当者に相談するか、

Amazonのサイトから申請する必要があります。

 

ここでは、Amazonのサイトから

申請する方法を紹介します。

 

法人がAmazon出品アカウントを複数作成する方法-1

 

まず、Amazonセラーセントラルにログインし、

「ヘルプ」をクリックします。

 

法人がAmazon出品アカウントを複数作成する方法-2

 

次に、「サポートを受ける」を

クリックします。

 

法人がAmazon出品アカウントを複数作成する方法-3

 

「Amazon出品サービス」をクリックし、

 

法人がAmazon出品アカウントを複数作成する方法-4

 

「メニューで問題を閲覧する」をクリックします。

 

法人がAmazon出品アカウントを複数作成する方法-5

 

法人がAmazon出品アカウントを複数作成する方法-6

 

「出品用アカウント情報」の中にある

「上記以外の出品用アカウント情報に関する問題」

をクリックし、アカウントを追加したい旨を

その理由とともに書き、申請を行えば完了です。

 

早ければ申請後、2〜3日程度で

審査結果が来ます。

 

 

個人の場合は、複数アカウントを運用しなくてもいい方法を考えてみる

個人の場合は、複数アカウントを運用しなくてもいい方法を考えてみる

 

Amazon出品アカウントを複数作成する方法について

解説しましたが、結構面倒だなぁと感じた人も

多いのではないでしょうか?

 

実際、以前はAmazon出品アカウントを複数作るのは

それほど難しくなかったのですが・・・

 

現在はアカウント作成時に、

本人確認書類の提出+Amazon担当者との面談

が必要になったため、複数アカウントを作るハードルは

かなり上がっています。

 

もちろん、アカウントを複数作るな!とは言いませんが、

個人の方なら1アカウントでも運用できないかを

今一度考えてみてもいいかもしれません。

 

Amazonで出品アカウントを複数作る目的の多くは、

 

  • アカウント停止・閉鎖のリスクヘッジ
  • 複数ジャンルの専門店を作る

 

この2つのいずれかだと思います。

1アカウントでも、上記のことができないかを

考えてみます。

 

 

アカウント停止・閉鎖されないように対策を練っておく

 

Amazonアカウントが停止・閉鎖されないようにするには、

まず、停止・閉鎖される原因一覧を

知っておくことが重要です。

 

以下の原因を見て、わからないものがあれば

規約等を再度確認しておいてください。

 

パフォーマンスの問題によるアカウント停止・閉鎖

  • 顧客満足度指数がAmazonの基準値を下回る

 

商品自体の問題によるアカウント停止・閉鎖

  • Amazonの販売禁止商品リストに含まれる商品を販売
  • 偽物品を販売
  • 関税法で禁止されている商品の販売
  • ワシントン条約で輸入禁止されている商品の販売

 

Amazon出品の規約違反によるアカウント停止・閉鎖

  • 並行輸入品を正規輸入品として販売
  • 同一商品の重複販売
  • 知的財産権の侵害
  • 商標権の侵害
  • 複数アカウントの運用
  • 出品者の評価、カスタマーレビューの操作
  • 売れ筋ランキングの操作・改ざん
  • Amazonに登録していない住所へ発送
  • FBA納品時の規約違反
  • 過去の閉鎖アカウントと関連性が紐付けられる

 

 

Amazonでは必ずしも専門店化する必要はない

 

複数アカウントがあればアカウントごとに

専門店化も可能ですが、Amazonでは

必ずしも専門店化する必要はありません

 

Amazonで買い物するときの

ことを考えてみてください。

 

あなたはAmazonのサイトにアクセスし、

検索窓にキーワードを入れたり

各カテゴリーのランキング等を見て

上から順番に商品を検討していくと思います。

 

このときAという商品を見つけたら、

その後にAを取り扱う店舗の商品一覧を

見るでしょうか?

 

多くの人は検索結果等に戻って探し直したり、

別キーワードを打ち込んで再検索すると思います。

 

「スマホといったらApple」のように

「◯◯のジャンルならこのブランド」と

認知されていれば別ですが、そうでなければ

その店舗の商品一覧を見る人はあまりいません。

 

今後、本気でブランドを育てたい!という人は別ですが、

なんとなくアカウント内で扱う商品のジャンルは

揃えたほうがいいかな〜と思っている程度なら

無理に専門店化する必要はないでしょう。

 

それよりも、各商品の商品力を高めたり、

マーケティングに力を入れたりすることで

今以上に売上を伸ばせていけるはずです。

 

 

まとめ

 

Amazon出品アカウントを複数作っておけば

 

  • アカウント停止・閉鎖のリスクヘッジができる
  • 複数ジャンルの専門店を作れる
  • 会計を分けることができる

 

といったメリットがある一方で、

 

  • 複数アカウント所持がバレると、すべてのアカウントが閉鎖される
  • 複数アカウント分の登録料がかかる
  • FBA納品時に手間がかかる

 

といったデメリット・リスクがあることも

忘れてはいけません。

 

また、アカウント作成のハードルは以前より

上がっており、複数アカウントを作ることは

難しくなっています。

 

どうしても作成したい場合は

法人アカウントを作るか、

家族名義で作りましょう。

 

また、そもそも複数アカウントを作るべきかどうか、

現時点でのあなたの状況等をよく考えて

判断してみてください。