中国輸入Amazon販売の専門家 加藤さとしです。
Amazonの売上を継続的に伸ばすには、
「スポンサープロダクト」の運用が欠かせません。
特に、発売間もない商品に関してはレビューが
ほとんど付いておらず購入数も少ないです。
そのため、どれだけSEO対策をしても検索上位に
上がりづらくなっています。
しかし、スポンサープロダクト運用をすることで、
露出が増える→アクセス数が増える→売上が増える
→検索順位が上昇する→露出が増える・・・
という好循環を作ることが可能です。
ただし、これはあくまで
”SEO上、効果の高いキーワード”で
出稿できている場合に限ります。
誰も検索しないキーワードや
購入意欲が低いキーワード等で出稿しても、
売上にはつながりません。
スポンサープロダクト広告は
単に出稿しているだけではダメです。
最初にオートターゲティングで運用を始めたら、
次に広告レポートを見てキーワードの選定を行った上で、
マニュアルターゲティングで運用していく必要があります。
現時点で、
スポンサープロダクト広告を出稿しているけど、
売上がなかなか上がらない・・・
という人は
- オートターゲティング設定のままずっと運用している
- 広告レポートの分析→改善がしっかりできていない
このどちらかの可能性が高いといえるでしょう。
※そもそも商品自体が悪かったり、
商品ページが作り込まれていない状態では
いくら広告を出しても売上は上がらないので要注意
今回は、スポンサープロダクト運用の応用編として、
広告レポートを活用した、売上につながる
キーワードの選出方法や入札額の決定方法などを
解説していきます。
スポンサープロダクトをオートターゲティングで始めたけど、次にどうすればいいのかわからない
スポンサープロダクトの出稿を始めたけど、なかなか売上が上がらない
広告レポートのどこを見ればいいのかわからない
広告レポートのデータから、どのような行動を取るべきかわからない
こんな人はぜひ参考にしてみてくださいね。
加藤さとし
Amazonスポンサープロダクトの効果的な運用の大まかな流れ
まずは、スポンサープロダクト運用の
大まかな流れを見ていきます。
STEP1:2〜3週間ほど「オートターゲティング」で運用して、キーワード収集をする
STEP2:スポンサープロダクトの広告レポートを見て、効果の高いキーワードを見つける
STEP3:見つけたキーワードをマニュアルターゲティングで再出稿する
STEP4:STEP1〜3を繰り返し、より効果の高いキーワードを探していく
STEP5:より効果の高いワードは予算をかけて、無駄なキーワードは停止する
STEP1:2〜3週間ほど「オートターゲティング」で運用して、キーワード収集をする
スポンサープロダクトには大きく分けて
- Amazonが自動で広告運用を行ってくれる「オートターゲティング」
- キーワード等を自分で設定して運用する「マニュアルターゲティング」
の2種類があります。
広告運用初期の頃はどんなキーワードで
出稿すればいいのかわからない場合が多いので、
最初の2〜3週間ほどは「オートターゲティング」で運用します。
オートターゲティングとマニュアルターゲティングの違い
オートターゲティングは、Amazonが広告運用を
すべて代わりに行ってくれる機能です。
具体的には、商品ページのカテゴリーや
商品ページの各要素(商品タイトルや仕様文、説明文等)
をもとに、関連性の高い他の商品ページ上に
広告を自動で掲載してくれます。
オートターゲティングは細かい調整ができないので
売上を上げる方法としては不向きですが、
成約しやすいキーワード、成約しづらいキーワード
といった売上につながる貴重なデータ収集を
行うことが可能です。
なお、商品を発売した直後から1カ月ほどは、
オートターゲティングの入札額は
推奨額よりも高めに設定しておいてください。
新規登録後は購入実績等がないため、
SEO対策をしっかりしても
インデックスすらなかなかされません。
広告費は増えてしまいますが、
入札額を上げて露出を増やすことで
購入される確率が上がります。
購入されると売上ランキングが上がる
→さらに購入されるという好循環に
強制的に入ることができます。
また、広告予算を多めに設定しておくことで、
その分、売上につながるキーワードをより多く
集めることができ、長期的に見ても
売上は伸びていきやすいです。
一方、マニュアルターゲティングは、
自分でキーワードを選び出稿する方法です。
特定のキーワードでのみ広告を表示させるため、
見込み客に直接リーチでき、無駄な広告費も減らせます。
オートターゲティングで収集した効果の高いキーワードを
マニュアルターゲティングで運用することにより、効率的な
スポンサープロダクト運用が可能になります。
スポンサープロダクト運用をする上で知っておくべき「ビッグキーワード」と「スモールキーワード」の違い
スポンサープロダクト運用の肝は「キーワード選び」ですが、
キーワードには大きく分けてビッグキーワードと
スモールキーワードの2種類があります。
ビッグキーワードとは、たとえば
「Apple」「時計」「スマートフォン」などです。
ビッグキーワードは検索ボリュームが大きいものの、
購入意図が明確でないため低い成約率になりがちです。
「Apple」と検索した人は、iPhoneが欲しいのか、
iPadが欲しいのか、具体的にどんな商品を
買おうとしているかわからないですよね。
一方、スモールキーワードは
「iPhone13 Pro ガラスフィルム」「Apple Watch SE バンド 革」
などです。
ビッグキーワードと比べると検索ボリュームは少ないですが
購入意図が明確なため、スモールキーワードで
広告を出すと購入につながりやすいといえます。
Amazonスポンサープロダクトは
こういったスモールキーワードを見つけて、
運用していく必要があります。
ただ、スモールキーワードは
自分では思いつかないものも多いです。
なので、オートターゲティングで広告を回しながら、
費用対効果の高いスモールキーワードを
収集していく必要があるのです。
STEP2:スポンサープロダクト広告の広告レポートを見て、効果の高いキーワードを見つける
オートターゲティングでデータ収集ができたら
次に広告レポートを見て、
費用対効果の高いキーワード=売上に直結しやすいキーワード
などを確認していきます。
レポートのダウンロード方法や見方、
重要ポイントは後ほど解説します。
STEP3:見つけたキーワードをマニュアルターゲティングで再出稿する
効果の高いKWを見つけたら、そのキーワードを
マニュアルターゲティングで再出稿します。
STEP4:STEP1〜3を繰り返し、より効果の高いキーワードを探していく
マニュアルターゲティングで出稿すると同時に
オートターゲティングでも再出稿し、
他にも効果の高いキーワードがないかを探していきます。
オートターゲティングで収集するスモールキーワードは、
ビッグキーワードより購入意欲が高く
売上につながりやすいのですが、
検索回数は少ない傾向にあります。
検索回数が少ない
=短期間で見つけるのは難しい
ということですね。
なので、マニュアルターゲティングで出稿すると同時に、
オートターゲティングで効果の高いスモールキーワードを
引き続き収集していく必要があります。
この流れを繰り返すことで、効果の高い
キーワードを複数見つけることできます。
STEP5:より効果の高いワードは予算をかけて、無駄なキーワードは停止する
必要なキーワードの中でも
より効果の高いキーワードが存在します。
広告費売上高比率(ACoS)が低く、
そのキーワードで出稿すればするほど
売上が伸びていくようなワードです。
そのようなキーワードは入札額を上げることで、
表示される回数が増え、売上も伸びていきます。
反対に、売上につながりにくいキーワードは
出稿を停止し、無駄な費用を抑えます。
同じキーワードでも、時期などによって
成約率が落ちる場合があります。
そのようなワードで出稿していても
利益率は下がる一方なので、定期的にレポートを確認し、
出稿停止をしなければいけません。
スポンサープロダクト運用の結果は
1週間ごとにチェックしましょう。
結果は、セラーセントラルにログイン後、
広告タブ>広告キャンペーンマネージャーより
確認できます。
ここではすべてのキャンペーンの
広告費、売上、ACoSなどを確認できます。
画面下部にいくと、キャンペーン毎の
各種データを見ることができ、たとえば
ACoSは想定の範囲内に収まっているか?
などをざっくりと確認できます。
ただし、キーワード毎の細かいデータを調べるには
広告レポートをダウンロードする必要があります。
広告レポートを活用したマニュアルターゲティングの運用方法
広告キャンペーンマネージャーからは
キャンペーン毎のデータは確認できましたが、
さらにキーワード毎の細かいデータを調べるには
広告レポートをダウンロードする必要があります。
広告レポートのダウンロード方法
広告レポートには広告を回した結果が
すべて表示されています。
各種データを確認、分析することで、
より売上を上げるための対策を
練ることが可能です。
広告レポートは以下の手順で
ダウンロードします。
1、セラーセントラルの「レポート」タブ>「広告レポート」をクリック
2、「レポートを作成」をクリック
3、レポートタイプ、集計単位、レポート期間を選択し、
「レポートを作成」をクリックすると、
エクセル形式のレポートをダウンロードできます。
(スポンサープロダクトの広告レポート一覧)
レポートタイプは複数ありますが、
今回は以下の4つのレポート
- 検索キーワードレポート(検索ワード)
- ターゲティング
- 掲載位置
- 期間別パフォーマンスレポート
をもとに運用パフォーマンスの
改善を進めていきます。
「検索キーワードレポート」を活用したスポンサープロダクト運用方法
1番よく利用するのが
「検索キーワードレポート」です。
このレポートを活用することで
成約しやすいキーワード、成約しづらいキーワード
を調べることができます。
レポート内には様々な項目が表示されていますが、
特に重要なのが次の3つです。
- 検索クエリ(キーワード)
- コンバージョン率(広告のクリック数に対する購入率)
- ACoS(広告費の回収率)
検索キーワードレポートでは、
- コンバージョン率の高いキーワードやACoSの低いキーワード(ASIN)
- コンバージョン率の低いキーワードやACoSの高いキーワード
を抽出します。
※コンバージョン率(成約率)
=商品ページをクリックした人のうち
注文した人の割合。
(例)クリック数100、注文数10なら
コンバージョン率は10%
※ACoS(広告費売上高比率)
=広告経由で売上につながった割合
(例)広告費2万円、売上10万円ならACoSは20%
ACoSは、割合が低い方が売上に占める
広告費が少なくなり、利益も大きくなる。
コンバージョン率の高いキーワード、ACoSの低いキーワードをマニュアルターゲティングに設定
コンバージョン率が高いキーワード、
ACoSの低いキーワードを抜き出したら
マニュアルターゲティングで運用します。
抽出したキーワードの中でも
1週間の販売数が3以上かつACoSが20%以下
のような効果がより高いキーワードは
マッチタイプ「完全一致」で回してみましょう。
上記ほど効果が高くないけど
成約するキーワードに関しては、
「フレーズ一致」で回してみます。
なお、オートターゲティングと
マニュアルターゲティングを同時に運用する場合は
キーワードが重複する恐れがあります。
マニュアルターゲティングにて
”完全一致”で設定したキーワードに関しては、
オートターゲティングの除外キーワード(完全一致)に
追加することを忘れないでください。
キーワード毎の入札額は、
推奨入札額よりも高く設定します。
オートターゲティングでは、キーワード毎の
コンバージョン率等がわからないため
推奨入札額でも問題ありませんでした。
しかし、今回抽出したキーワードは効果が高いことが
わかっているので、推奨入札額よりも高く設定して
露出度を上げていきます。
適切な入札額は、商品によって異なります。
なので、一度広告を出した後、
設定したキーワードで実際に検索して
広告が表示されるかを確認します。
もし表示されないようであれば
ライバルよりも入札額が低いので、
徐々に上げていくようにします。
ただ、入札額を上げることで広告費が増え、
ACoSが悪くなる可能性もあります。
そのような場合は、キーワードを
変えることも検討します。
反対に、広告が表示されるようであれば、
もう少し低い入札額で表示されないかも
試してみます。
そうすることで、より少ない費用で
広告表示回数を増やすことができます。
また、適切な入札額は季節等によっても異なります。
たとえば、アウターなどの冬物は、
夏は低い金額でも上位表示されますが
冬は入札額を上げなければ難しいです。
このように適切な入札額は、同じキーワードでも
商品の種類や季節などの外部要因で変わる場合があるので、
適宜レポートを確認しながら微調整していってください。
コンバージョン率の低いキーワード、ACoSが高いキーワードは除外キーワードに設定
コンバージョン率が低いキーワードや
ACoSが30%以上などの高いキーワードは、
オートターゲティングで回す際に
除外キーワード(完全一致)として設定します。
除外キーワードに設定することで、
無駄な広告費を垂れ流してしまうことを防げます。
なお、キーワードの中には、
本来はコンバージョン率が高いのに
十分なデータが貯まっていないために
低いパーセンテージになっている場合もあります。
低いコンバージョン率のキーワードに関しては
単純にパーセンテージだけを見るのではなく、
同時にインプレッション数が最低でも300以上あるか
を確認してください。
インプレッション数は、広告が表示された回数です。
広告が300回未満しか表示されていないキーワード
=「十分なデータが貯まっていない」と判断します。
また、ACoSの高いキーワードに関しては、
一概に「すべて除外キーワードとして設定する」
というわけではありません。
スポンサープロダクトの利用目的が
”利益を上げるため”の場合、
ACoSの高いキーワードは除外対象になります。
しかし、目的が”検索順位の上昇”なら、
仮にACoSが悪化して一時的に利益がなくなっても、
長期的には順位上昇で売上が伸びる可能性があります。
単純に、ACoSの数値が悪いから除外するのではなく、
広告の利用目的に応じて決めるようにしましょう。
コンバージョン率の高いASIN、ACoSの低いASINは商品ターゲティングに設定
検索レポートで表示されるキーワードの中には、
商品のASINが含まれていることもあります。
これはASINで検索されたわけではなく、
そのASINの商品ページ上で
広告が表示されたことを指します。
コンバージョン率の高いASINや
ACoSの低いASINがあった場合は、
マニュアルターゲティングの
”商品ターゲティング”で設定します。
なお、商品ターゲティングは
レビュー数が少ない時点や自分の商品価格が
競合商品よりも高い場合などは効果が低くなります。
上記のことを考慮して、商品ターゲティングに
設定するかどうかを決めてください。
収集したキーワードをもとに商品ページの改善を行う
今回抽出したキーワードが
商品ページ内に含まれていない場合は
そのワードを追記してもいいでしょう。
追記することで、商品ページと該当ワードの
関連性が強くなり、再度広告を出稿した際に
同じ入札額でも表示回数が増える可能性があります。
キーワードを追記する際、
SEO対策として効果的なのは
以下のような場所です。
- 商品タイトル
- 商品仕様文
- 商品説明文
- キーワード欄
「ターティングレポート」を活用したスポンサープロダクト運用方法
ターゲティングレポートでは、
事前に設定したキーワードで
以下のデータを確認できます。
- インプレッション数
- クリック数
- 広告費
- CTR(広告の表示回数に対するクリック率)
- CPC(クリック単価)
- 売上高
上記データからは様々な
施策を考えることができます。
たとえば、コンバージョン率は高いけど
クリック数が少ないものに関しては
入札額を上げて広告の露出を増やしてみる、
逆にコンバージョン率が低いものは出稿停止を検討する。
CTRが低い場合は、
- そのキーワード自体が不適切
- 商品画像がわかりづらい
- タイトルがわかりづらい
といった要因が考えられるので、
そのキーワードを取り下げたり、
商品画像やタイトルを変更するといった
施策が必要です。
売上の増減はこうした様々な要因が
絡んでいることが多いので、
原因を探るにはデータを1つずつチェックし、
仮説と検証を繰り返していくことが重要です。
そのためにも、こうしたレポートは
必ず毎週チェックすることをおすすめします。
「掲載位置レポート」を活用したスポンサープロダクト運用方法
掲載位置のレポートでは、
広告が表示された場所ごとの
データを確認できます。
具体的には、
①検索結果表示TOPページ上部
②他販売者の商品ページ
③その他の検索結果
上記3つの場所に表示された広告の
- インプレッション数
- クリック数
- 広告費
- 売上
- 注文数
がわかります。
このレポートを活用することで、
- 広告がどの場所によく表示されているのか?
- どの場所、どの商品ページの広告が売れやすいのか?
を確認できます。
マニュアルターゲティングでは、
掲載枠毎の入札額を調整できるので、
掲載位置のレポートを見ながら
パーセンテージを調整していきます。
「期間別パフォーマンスレポート」を活用したスポンサープロダクト運用方法
「期間別パフォーマンスレポート」では
キャンペーン毎のクリック数、クリック単価、支払額を
期間別に確認できます。
季節商品などは同じキーワードでも
掲載期間によってクリック数や
クリック単価が変わります。
クリック数が増える時期は売上も上がりやすいので、
過去の実績をもとにいつから掲載を強化するのか?
開始時期を決めます。
また、過去の支払額をもとに
広告費の予算立てにも使うことができます。
まとめ
スポンサープロダクトの運用は、
慣れていない人にとっては
難しく感じるかもしれません。
しかし、運用の流れは比較的単純です。
オートターゲティングでキーワード収集をしつつ、
マニュアルターゲティングで効果の高いキーワードは
露出を増やし、効果の低いキーワードは露出を減らす。
これをひたすら実践していくのが基本です。
とても地味な作業ですが、
Amazonの売上を上げるには
欠かせない施策の一つです。
また、特に商品を発売して間もない時期は
インデックスすらされず検索順位も付かないため、
強制的に上位表示させて売上を立てる
広告の活用は非常に有効です。
まずは、オートターゲティングで運用を始め、
今回紹介した4種類のレポートを活用しながら
改善を進めていってみてください。