中国輸入Amazon販売の専門家 加藤さとしです。
Amazonでは2021年11月1日より、
販売しているすべての商品に対して
ポイント付与率1%が自動適用
されるようになりました。
ポイント費用を負担するのは出品者なので、
デフォルトの設定だと1%値下げするのと同じです。
利益率が低い商品の場合は
利益を圧迫してしまいます。
たかが1%でしょ?と
思うかもしれませんが・・・
長期的に見るとチリツモで
馬鹿にならない金額になります。
ただ、この制度は楽天市場のように
セラーに強制的にポイント負担を強いるのではなく、
セラー側で%の調整が可能です。
このポイント付与率を一括変更できるのが
「Amazonポイントセントラル」です。
今回はAmazonポイントセントラルの
設定方法に加えて、そもそもAmazonでは
ポイントを付与すべきなのか?といった点
についても解説していきます。
Amazonポイントセントラルの設定方法を知りたい
ポイント付与をするメリット・デメリットについて知りたい
そもそもポイント付与はすべきなのかを知りたい
こんな人はぜひ参考にしてみてください。
Amazonポイントセントラルとは?設定方法を解説!
Amazonポイントセントラル導入でポイント付与率の一括変更が可能に
「Amazonポイントセントラル」は、
Amazonで販売している商品のポイント付与率を
一括で設定・管理できるセラーセントラルの機能です。
大口出品者であれば誰でも利用できます。
従来、ポイント付与率の変更は
商品毎に行う必要がありましたが、
Amazonポイントセントラルの導入によって
一括変更できるようになりました。
Amazonポイントセントラルは、
セラーセントラルTOPの「広告」タブ内にある
「ポイント」をクリックするとアクセスできます。
それでは具体的な設定方法を見ていきます。
ポイント付与率を一括変更する方法
ポイント付与率を一括変更するには、
「アカウントレベルのポイント」右側にある
ドロップダウンメニューから付与率を選択し
「いますぐポイントを適用する」をクリックします。
付与率は1%〜50%の範囲で
1%刻みで設定可能です。
ただし、一括変更は法人価格や数量割引が
設定されている商品には適用されません。
ポイント付与率を一括0%(無効)に設定する方法
すべての商品のポイント付与率を0%にしたい場合は、
ドロップダウンメニュー内にある0%を選択して
「今すぐポイントを適用する」をクリックします。
ポップアップが表示されたら
「更新」をクリックします。
このような画面に切り替わったら
ポイントの付与率が一律0%になります。
一部商品のポイント付与率を設定する方法
一部商品のポイント付与率を変更するには、
テンプレートファイルをダウンロードして
SKUと付与率を入力後、そのファイルを
アップロードする必要があります。
テンプレートファイルは、ドロップダウンメニュー右側の
「除外を追加」からダウンロードできます。
「テンプレートファイルをダウンロード」
をクリックしてダウンロードします。
ファイルは.tsv形式となっており、
テキストエディタで編集ができます。
ファイル内のSKU欄に商品毎のSKUを、
points_percent欄に付与率を入力します。
points_percentの数字はポイント数ではなく、
%なので入力間違いにご注意ください。
たとえば3と入力した場合は、
3ポイントではなく3%になります。
ファイルはエクセルに貼り付けて
入力することも可能です。
商品数が多い場合はエクセルで
入力したほうが楽かもしれません。
エクセルで編集する場合は
保存時に「テキスト(タブ区切り)(*.txt)」を
選ぶことを忘れないでください。
エクセルファイル形式のままだと、
アップロードをする際に
エラーが出てしまいます。
入力が完了したらファイルをアップロードし、
「完了」をクリックします。
これで選択した商品は任意の付与率になり、
それ以外の商品は一括で設定した付与率となります。
なお、個別の商品の付与率に関しては、
これまで通りセラーセントラルの「在庫>在庫管理」
または「在庫ファイル」からも変更できます。
現在設定されている商品毎のポイント付与率は、
「在庫」タブより「出品レポート」を
ダウンロードすることで確認できます。
Amazonポイントセントラル利用時の注意点
テンプレートファイルをアップロードできない時の対処方法
テンプレートファイルをアップロードできない場合は、
以下の原因が考えられます。
対処方法と併せてご確認ください。
原因 | 対処方法 |
「points_percent」の入力欄に%まで入れている | 数字のみを入力する |
「SKU」と「points_percent」の列が正しく区切られていない | 「sku」と「points_percent」の入力を区切る際は、スペースキーではなく「tab」キーを使用する |
正しいSKUが入力されていない | SKUを再度確認し、入力し直す。SKU番号の後にスペースがないことも確認する |
ファイルがExcel形式になっている | アップロードできるのは「.tsv形式」のみなので、エクセルで編集した場合は.tsv形式に変更する |
エンコードエラーが発生している | ファイル編集時にPCを日本語環境(Shift-JIS)に設定する |
空白行が重複している | 空白行を削除する |
テンプレートファイルはアップロードするたびに上書きされる仕様
テンプレートファイルは何度もアップロード可能ですが、
ファイルが上書き保存される仕様であることは
覚えておいてください。
たとえば、1回目のアップロードで
A商品の付与率を1%、B商品を2%に設定。
後日、C商品の付与率を3%に設定したい場合は
A商品とB商品に合わせてC商品を追加で
入力しなければいけません。
C商品のみを入力した状態でアップロードすると
A商品とB商品は適用されなくなってしまうので
ご注意ください。
ポイント付与率を変更した商品を戻すには?
ポイント付与率を変更した一部商品の%を元に戻すには、
該当商品のSKUと%を入力しない状態で
テンプレートファイルをアップロードします。
すべての商品のポイント付与率を
デフォルト状態に戻すには
空のファイルをアップロードします。
Amazonポイントは付与すべき?メリット・デメリットについて
メリット:ユーザーの購買意欲を高めることができる
Amazonポイント付与率を設定していると、
検索結果ページや商品ページに
ポイント付与率とポイント付与数が表示されます。
ポイント好きなユーザーなら
購買意欲が高まるでしょう。
また、同じような機能で同じ価格の商品が
複数ある場合は、ポイント付きの商品がクリック、
購入される可能性はあります。
ただし現状は、Amazonでポイント付与率を気にして
購入するユーザーはそこまで多くないため、
あまり期待しないほうがいいでしょう。
単純に売上を伸ばすためなら、
スポンサープロダクト広告を出稿したり
より目立つAmazonクーポンの配布を
行ったほうが効果は高いです。
デメリット:利益率が下がる
Amazonポイントの費用は
セラーが負担しなければいけません。
2,000円の商品で付与率1%なら
負担する費用は20円です。
ポイント付与は実質値下げと同じなので
その分、利益率は下がってしまいます。
高利益率の商品なら問題ないですが、
そうでないなら無闇に付与率は
上げるべきではありません。
結論:現状は付与率0%でも問題ない
現時点ではAmazonポイントの付与率は
0%でも問題ないでしょう。
ポイントの費用はセラーが負担する必要があり、
設定してもよほど大きな付与率でなければ
売上アップ等の効果はあまりないからです。
ただし、販売している商品がライバル商品と
似ていて価格も同じような場合などは
効果が出ることもあります。
Amazonは2022年10月14日までの間、
セラーのポイント負担を9%割引する
キャンペーンを実施しているので、
購入率がどれくらい変わるか
知りたい人は試してみてもいいでしょう。
キャンペーン対象となるのは
販売価格の1%分までのポイントです。
たとえば、1,000円の商品でポイント付与率を
2%にしている場合は通常20円のポイント費用を
払う必要がありますが、期間中は19円になります。
(割引額:1,000円×1%×9%=0.9円。小数点以下は四捨五入して1円)
ポイントのルール改正など、今後のAmazonの動きには注目しておく
現状、ポイントは付与しないでも問題ありませんが、
今後のAmazonからのアナウンスは注視しておくべきです。
これまでAmazonはポイント制度に
あまり力を入れてませんでしたが、
最近の大規模セール時は必ずと言っていいほど
「ポイントアップキャンペーン」も同時に実施しています。
2021年8月からはポイント付与率を
デフォルトで1%に変更したことからも、
いかにポイント制度に力を入れているかがわかります。
日本人は世界的に見てもポイント好きなことで
知られており「ポイントサービス大国」
とも言われています。
日本のECサイト売上ランキング1位の楽天市場では
「お買い物マラソン」といったポイントアップキャンペーンが
定期的に実施されており、ポイントを貯めるために
爆買いするユーザーもいるくらいです。
将来的にはAmazonもそのような
ポイント好きユーザーを取り込むため、
大々的にルール改正をする可能性はあります。
ポイント付与率が高い商品は何かしら優遇を
受けられるようになる可能性もあるので、
Amazonからのアナウンスは
見逃さないようにしてください。
まとめ
今回はAmazonポイントセントラルの設定方法と
Amazonポイントは付与すべきか?について
解説しました。
Amazonでは2021年11月1日より販売している
すべての商品に対してポイント付与率1%が
自動適用されるようになったので、
ポイントを付けたくない場合は
付与率を0%に変更しておいてください。
ポイント付与については、現時点で売上アップなど
大きな効果が見込めるわけではないので
必ずしも設定する必要はありません。
しかし、販売している商品によっては
効果的な場合もあります。
クリック率や購入率がどれくらい上がるかを
確かめたい人は、利益を圧迫しない程度に
付与率を実験的に上げてみてもいいでしょう。